うちなあぐち
@ 親(うや)がなしから'暇(いとぅま)ん拝(をぅが)まびたい今日(ちゅう)どぅ遊(あし)ばりる(泊)。A ううさり、みせえる事(くとぅ)、諸(むる)、拝(をぅが)どぅうやびいん。
B 親(うや)がなし、仰(うゐい)し事(ぐとぅ)拝(をぅが)でぃ、他所島(ゆすじま)に渡(わた)やびたん(泊)。
C とおあんせえ、また、明日(あちゃ)拝(をぅが)なびらやあさい。
D 今日(ちゅう)ぬ一時(いっとぅちゃ)やれえ、拝(をぅが)まりみせえん。
E あまぬ御主人(ぐしゅじん)、う供拝(とぅむをぅが)でぃ来(く)わ(泊)。
F 波(なみ)ぬ声(くぃい)ん止(とぅ)まり、首里(しゅい)天加那(てぃんじゃな)志(しい)、美(み)御面(うんち)拝(をぅが)ま(ナビ)。
G 年上(しいざ)んかいや「今日(ちゅう)拝(をぅが)なびら」んでぃる言(い)やびいる。
日本語
@ ご両親から休暇も頂いたし、遊べるは今日だけです。A はい、おっしゃる事は全て、承知いたしました。
B 親から拝命し、他所島に渡り(赴任)しました。
C ではまた、明日、お目にかかりましょうね。
D 本日の少しの間なら、ご面会いただけます。
E むこうの御主人様を御案内申し上げてくれ。
F 波の音も止まれ、国王様の御機嫌を伺いましょう。
G 年上には「今日拝なびら」と言うのです。
【解説】
「拝むん」(首里語は「拝ぬん」)は応用の広い豊かな謙譲語です。「(神仏を)拝む、祈願する」の意味の他に「拝命する」、「拝見する」、「拝聴する」、「(貴人の行為等を)承る」、「頂く」、「頂戴する」、「仕える」、「侍る」、「機嫌をとる」等の意味があります。士族言葉に対する「照れ」等もあって、日常会話では殆ど使用されませんが、思い切って使用したいものです。なお、未然形の丁寧語には「-なびら」(主に首里語系)と「-まびら」の双方があります。例文中の(泊)は芝居『泊阿嘉』より、(ナビ)は恩納ナビの琉歌から引用し、原文の意味を損なわないように口音で編集した文です。
例文@「暇拝むん」は「暇を頂く」。なお「暇拝まびら」は文脈にもよりますが「では失礼致します」の意味になります。
例文A「拝どおやびん」は「承知致しました」。その古語は「拝留(うぐぁんちゅ)みゆん」で、その古音は「うぐぁんとぅみゆん」。
例文B「仰し事拝むん」は「ご命令・ご指示を賜る」の意味です。
例文C「明日拝なびら」は「また明日お会い致しましょう」、「今日はこれで失礼致します」等の意味となります。
例文D「拝まりみせえん」は「お会いできます」、「御面会できます」の意味です。
例文E「う供拝むん」は「ご同行願う」、「お連れする」、「ご案内仕る」等の意味になります。
例文F「美御面拝むん」は「(貴人の)ご機嫌を伺う」の意味です。「みゅんち」は「うんちゅう(顔色、機嫌)」の敬語。
例文G「今日拝なびら」は「今日(ちゅう)」(こんにちは)の目上に対する敬語で、日本語には直接、対応する語句はありません。
「拝むん」(首里語は「拝ぬん」)は応用の広い豊かな謙譲語です。「(神仏を)拝む、祈願する」の意味の他に「拝命する」、「拝見する」、「拝聴する」、「(貴人の行為等を)承る」、「頂く」、「頂戴する」、「仕える」、「侍る」、「機嫌をとる」等の意味があります。士族言葉に対する「照れ」等もあって、日常会話では殆ど使用されませんが、思い切って使用したいものです。なお、未然形の丁寧語には「-なびら」(主に首里語系)と「-まびら」の双方があります。例文中の(泊)は芝居『泊阿嘉』より、(ナビ)は恩納ナビの琉歌から引用し、原文の意味を損なわないように口音で編集した文です。
例文@「暇拝むん」は「暇を頂く」。なお「暇拝まびら」は文脈にもよりますが「では失礼致します」の意味になります。
例文A「拝どおやびん」は「承知致しました」。その古語は「拝留(うぐぁんちゅ)みゆん」で、その古音は「うぐぁんとぅみゆん」。
例文B「仰し事拝むん」は「ご命令・ご指示を賜る」の意味です。
例文C「明日拝なびら」は「また明日お会い致しましょう」、「今日はこれで失礼致します」等の意味となります。
例文D「拝まりみせえん」は「お会いできます」、「御面会できます」の意味です。
例文E「う供拝むん」は「ご同行願う」、「お連れする」、「ご案内仕る」等の意味になります。
例文F「美御面拝むん」は「(貴人の)ご機嫌を伺う」の意味です。「みゅんち」は「うんちゅう(顔色、機嫌)」の敬語。
例文G「今日拝なびら」は「今日(ちゅう)」(こんにちは)の目上に対する敬語で、日本語には直接、対応する語句はありません。
【応用問題】
例文・解説文を参考に箇条文の太字部分を「拝むん」を使う文に直しなさい。
(お供拝でぃくわ、暇拝むん、分かやびたん、拝まりみそおらに、寄し事拝でぃどぅ)。
@ 親(をぅや)ぬ寄(ゆ)し事(ぐとぅ)、聞(ち)ちどぅ、物(むぬ)ん知(し)ゆる。
A 旅(たび)んかい行(い)ちゅるむんやれえ、ゆりい得(い)いらんでえないびらん。
B とお、あんせえ、また明日(あちゃ)やあさい。
C 如(ちゃ)何(あ)がな、あまぬ方(かた)んかい、行(い)ち会(あ)あららに。
D うんじゅが御主前(うすめえ)、我(わ)っ達(たあ)家迄(いかやあ)え、御仕(うんちけ)えしんそおれえ。
答え:
@ 寄し事拝でぃどぅ。
A 暇拝なびらんでえ。
B 明日拝なびら。
C あまぬ御方、拝まらに。
D 御供拝でぃ来ゃあびれえ。
日本語意訳
@親の訓えを頂いてこそ、道理も分かるのである。
A旅行に行くのであれば、休暇を貰わないばならない。
Bでは又、明日。
Cどうにか、むこうの方々にお会いできませんか。
Dあなたの祖父を私どもの家迄、ご案内なさい。
例文・解説文を参考に箇条文の太字部分を「拝むん」を使う文に直しなさい。
(お供拝でぃくわ、暇拝むん、分かやびたん、拝まりみそおらに、寄し事拝でぃどぅ)。
@ 親(をぅや)ぬ寄(ゆ)し事(ぐとぅ)、聞(ち)ちどぅ、物(むぬ)ん知(し)ゆる。
A 旅(たび)んかい行(い)ちゅるむんやれえ、ゆりい得(い)いらんでえないびらん。
B とお、あんせえ、また明日(あちゃ)やあさい。
C 如(ちゃ)何(あ)がな、あまぬ方(かた)んかい、行(い)ち会(あ)あららに。
D うんじゅが御主前(うすめえ)、我(わ)っ達(たあ)家迄(いかやあ)え、御仕(うんちけ)えしんそおれえ。
答え:
@ 寄し事拝でぃどぅ。
A 暇拝なびらんでえ。
B 明日拝なびら。
C あまぬ御方、拝まらに。
D 御供拝でぃ来ゃあびれえ。
日本語意訳
@親の訓えを頂いてこそ、道理も分かるのである。
A旅行に行くのであれば、休暇を貰わないばならない。
Bでは又、明日。
Cどうにか、むこうの方々にお会いできませんか。
Dあなたの祖父を私どもの家迄、ご案内なさい。