うちなあぐち
@ 薬負(くすいま)きする事(くとぅ)んあくとぅ、薬(くすい)や良(い)いむん悪(や)なむんやん。A 夏負(なちま)きんさんぐうとぅう、たんきみそおりよ。
B 今(なま)あ、どぅく物(むん)ぬまんでぃ、銭(じん)ぬどぅ負(ま)きとおる。
C 長雨(ながあみ)ぬ節(しち)ねえ、作(つく)いむづくいん、水負(みじま)きする事(くとぅ)んあん。
D 雨頼(あみたる)がきとおたる昔(んかし)え、干上(ひゃあ)い負(ま)きする事(くとぅ)あたん。
E 櫨負(はじま)きしいねえ櫨枝(ゆだ)んかい石(いし)くんち物退(むんぬき)とぅしちゃん。
F 昔(んかし)え、弟負(うっとぅま)きんでぃちんあたしが、今(なま)あ聞(ち)かん。
G まっふっくぁんじ、畑仕口(はるしくち)しいねえ、日負(ふぃいま)きすんどお。
日本語
@ 薬の副作用等もあるし、薬は良し悪しである。A 夏痩せ等しないように、ご自愛ください。
B 現代はあまりにも品数が多く、買う金の方が足りない。
C 梅雨の季節には、作物が水枯れする事もある。
D 雨頼みだった昔は旱魃で作物がダメになる事もあった。
E 櫨被れしたら、櫨の枝に石を括りつけ厄払いとした。
F 昔はおとみづわりというものもあったが今は聞かない。
G 真夏の真昼に農作業をすると、日射病等になるぞ。
【解説】
この講の慣用句・言い回しについては、「勝ち負き」、「負き戦」等、特に説明を要しない語句および別講で取り上げた「言い負まかすん」等についは省略させていただきます。
例文@「薬負き」は「薬の副作用」、「薬によって引き起こされる様々な薬害」の意味。首里語では「薬や」は「薬(くせ)え」。
例文A「夏負き」は「夏の暑さで食欲がなくなって痩せたり体調不良になったりする事」で「ふみち負き」も同じ意味。
例文B「銭ぬ負きゆん」は「市場や店の商品が多すぎて有金では変えない状況を自虐的に比喩した句」です。
例文C「水負き」は「農作物が水枯れする事」の意味の他、「他郷の水に合わないで体調を崩す事」の意味もあります。
例文D「干上い負き」は「旱で作物が枯れる事」。ほぼ同じ意味で「太陽負(てぃいだま)き」もあります。なお、地方では「干上い」より「さあい」の方が多く使われている感があります。
例文E「櫨負き」は「櫨アレルギーによって引き起こされる皮膚疾患」。アレルギー系皮膚疾患を意味する「負き」には、この他、「漆負(うるしま)き(漆被れ)」、「人肥(ちゅぐぇえ)負(ま)き(人糞被れ)」、「いいふ負き(泥濘被れ)」等もあります。
例文F「弟負き」は「乳児にいる母親が次の子を妊娠して悪阻になるため、乳児が弱る事」の意味で、「弟見痩がり」とも言います。
例文G「日負き」は「日射病」や「日焼け」する事の意味です。
この講の慣用句・言い回しについては、「勝ち負き」、「負き戦」等、特に説明を要しない語句および別講で取り上げた「言い負まかすん」等についは省略させていただきます。
例文@「薬負き」は「薬の副作用」、「薬によって引き起こされる様々な薬害」の意味。首里語では「薬や」は「薬(くせ)え」。
例文A「夏負き」は「夏の暑さで食欲がなくなって痩せたり体調不良になったりする事」で「ふみち負き」も同じ意味。
例文B「銭ぬ負きゆん」は「市場や店の商品が多すぎて有金では変えない状況を自虐的に比喩した句」です。
例文C「水負き」は「農作物が水枯れする事」の意味の他、「他郷の水に合わないで体調を崩す事」の意味もあります。
例文D「干上い負き」は「旱で作物が枯れる事」。ほぼ同じ意味で「太陽負(てぃいだま)き」もあります。なお、地方では「干上い」より「さあい」の方が多く使われている感があります。
例文E「櫨負き」は「櫨アレルギーによって引き起こされる皮膚疾患」。アレルギー系皮膚疾患を意味する「負き」には、この他、「漆負(うるしま)き(漆被れ)」、「人肥(ちゅぐぇえ)負(ま)き(人糞被れ)」、「いいふ負き(泥濘被れ)」等もあります。
例文F「弟負き」は「乳児にいる母親が次の子を妊娠して悪阻になるため、乳児が弱る事」の意味で、「弟見痩がり」とも言います。
例文G「日負き」は「日射病」や「日焼け」する事の意味です。
【応用問題】
例文・解説文を参考に箇条文の太字部分に近い語句を左の( )内から選びなさい。答えは下欄です。
(干上い負き、銭ぬどぅ負きとおる、日負き、夏負き、水負き)。
@ かわてぃ、暑(あち)さる夏(なち)え、熱気負(ふみっちま)きし、物(むぬ)ん美味(まあ)くんねえん。
A 川(かあ)から大水(うふみじ)ぬ流(なが)りてぃ来(ち)ゃあに、庭(なあ)ぬ花木(はなぎ)ん水腐(みじぐさ)りけえそおん。
B ありくり買うりんでぃ、孫ぬあぎまあちょおしが、銭(じん)ぬ足(た)らん。
C 今度(くんど)お餓死年(がしどぅし)がやら、雨(あみ)ん降(ふ)らな、作(つく)い物(むぬ)ん何(ぬう)んならんなとおん。
D 彼(あり)え、地黒(ぢいぐる)うやくとぅ、太陽(てぃいだ)負(ま)きしん、分(わ)からん。
答え:
@ 夏負き
A 水負き。
B 銭ぬどぅ負きとおる。
C 干上い負きそおん。
D 日負き。
日本語意訳
@とりわけ、暑い夏は心身が弱って食欲もない。
A川が氾濫して、庭の花木も水枯れしてしまった。
Bあれこれ買えと、孫にせがまれているが、金が足りない。
C今年は旱魃なのか、雨も降らないし、作物はダメになった。
D彼は地黒なので、日焼けしても分らない。
例文・解説文を参考に箇条文の太字部分に近い語句を左の( )内から選びなさい。答えは下欄です。
(干上い負き、銭ぬどぅ負きとおる、日負き、夏負き、水負き)。
@ かわてぃ、暑(あち)さる夏(なち)え、熱気負(ふみっちま)きし、物(むぬ)ん美味(まあ)くんねえん。
A 川(かあ)から大水(うふみじ)ぬ流(なが)りてぃ来(ち)ゃあに、庭(なあ)ぬ花木(はなぎ)ん水腐(みじぐさ)りけえそおん。
B ありくり買うりんでぃ、孫ぬあぎまあちょおしが、銭(じん)ぬ足(た)らん。
C 今度(くんど)お餓死年(がしどぅし)がやら、雨(あみ)ん降(ふ)らな、作(つく)い物(むぬ)ん何(ぬう)んならんなとおん。
D 彼(あり)え、地黒(ぢいぐる)うやくとぅ、太陽(てぃいだ)負(ま)きしん、分(わ)からん。
答え:
@ 夏負き
A 水負き。
B 銭ぬどぅ負きとおる。
C 干上い負きそおん。
D 日負き。
日本語意訳
@とりわけ、暑い夏は心身が弱って食欲もない。
A川が氾濫して、庭の花木も水枯れしてしまった。
Bあれこれ買えと、孫にせがまれているが、金が足りない。
C今年は旱魃なのか、雨も降らないし、作物はダメになった。
D彼は地黒なので、日焼けしても分らない。