日本語
@あれは、何でしょうか。Aあれは、何だろうか。
Bさあ、きっと、飛行機ではないでしょうか。
Cさあ、きっと、飛行機ではないか。
Dあの人は、誰なのでしょうか。
E校長でいらっしゃるのでしょうか。
Fあの子は、どこの誰だろうか。
Gあの子は、あんたんち隣の太郎君じゃないのか。
Hメールは、来ているだろうかね。
I今年の冬は、寒いだろうかね。
うちなあぐち
@ありえ、何(ぬう)やいびいがや。Aありえ、何やがや。
B知(し)ら、いやでぃん、飛行機(ひこうち)え、あいびらんがや。
C知ら、いやでぃん、飛行機えあらんがや。
Dあぬっ人(ちゅ)お、誰(たあ)やみせえがや。目上
E校長(こうちょう)先生(しいんしい)どぅやみせえがや。目上
Fあぬ童(わらび)え、まあぬ誰(たあ)やがや。
Gあぬ童え、いったあ隣(とぅない)ぬ太郎(たるう)やあらんがや。
Hメールお、来(ち)ょおがやあ。
I今度(くんどぅ)ぬ冬(ふゆ)お、ふぃいさがやあ。
【解説】
「がや」は「がやあ」ともなります。文末に感嘆詞「や(日本語の「ね」に近い)」を付ける場合は、「がやあや」となります。疑問を表わすというより、前回の「が―ら」と同じように、本来は推量を表わしますが、疑問文として使われる事は、「が―ら」用法より多いと思われます。
両者の違いを強いて言えば、「が―ら」が疑問文の代用となる場合、婉曲表現になるのに対し、「がや(あ)」は柔らかい疑問を表わすと言えるでしょうか。使い分ける事に神経を使う必要はありません。
また、文中に強調を表わす「どぅ(またはその清音「る」)」があっても、疑問詞「い」を用いず、そのまま「がや」が使われます(感嘆詞優先の法則)。この場合の「どぅ、る」は日本語の「―なの」と訳した方がよいでしょう。例、沖縄語「くりどぅやがやあ」→日本語「これなのだろうか」。
一部の都市部辺りでは、「何やがや(何かな)」の「や」を用いず、「何がや」となる事があります。この「や」は日本語の形容動詞に近い存在動詞です。
「がや」は「がやあ」ともなります。文末に感嘆詞「や(日本語の「ね」に近い)」を付ける場合は、「がやあや」となります。疑問を表わすというより、前回の「が―ら」と同じように、本来は推量を表わしますが、疑問文として使われる事は、「が―ら」用法より多いと思われます。
両者の違いを強いて言えば、「が―ら」が疑問文の代用となる場合、婉曲表現になるのに対し、「がや(あ)」は柔らかい疑問を表わすと言えるでしょうか。使い分ける事に神経を使う必要はありません。
また、文中に強調を表わす「どぅ(またはその清音「る」)」があっても、疑問詞「い」を用いず、そのまま「がや」が使われます(感嘆詞優先の法則)。この場合の「どぅ、る」は日本語の「―なの」と訳した方がよいでしょう。例、沖縄語「くりどぅやがやあ」→日本語「これなのだろうか」。
一部の都市部辺りでは、「何やがや(何かな)」の「や」を用いず、「何がや」となる事があります。この「や」は日本語の形容動詞に近い存在動詞です。
【応用問題】
次の日本語文を沖縄語文に直しなさい。
@魚と肉のどれがいいのでしょうか。
A魚が良いのでしょうか。
B魚と肉とどれが良いか。
C魚がよいだろう(よいのではなかろうか)。
D魚がよいだろうね(よいのではなかろうかね)。
答え:
@魚(いゆ)とぅ肉(しし)とお、何(じ)るお、ましやいびいが。
A魚お、ましえ、あいびらんがや。
B魚とぅ肉とお、何ろるお、ましやが。
C魚お、ましえ、あらんがやあ。
D魚お、ましえ、あらんがやあや。
註:「しし」は家畜等の食用のものを言いますが、「にく肉」は人間の肉にも食用肉も言います。調理用の精肉には特に「あったみ」と言います。関連語に「ぶた豚あったみ」(豚肉)、「ちぬ角あったみ」(牛肉)、「やまあったみ」(猪肉)、「ましし」(赤肉)「あんだ油じし」(脂肪、但しこれは『沖縄語辞典』にはない)」等があります。