日本語
@彼は医者だから、病気を治せる。A彼は医者でいらっしゃるから、病気を治せます。
Bこれは、毒だから、食べられない。
Cこの本は、好きでないから、読まない。
Dこの本は、好きでありませんから、読みません。
Eだから、言ったじゃないか。
Fだから、やるなと言っただろ。
G「君はまたも、失敗したわけ」。「だからよ」。
うちなあぐち
@彼(あり)え医者(いしゃ)やくとぅ、病治(やんめえのお)しゆすん。A彼え医者やみせえくとぅ、病治しいすん。目上
Bくりえ、毒(どぅく)やくとぅ、食(か)まらん。
Cくぬ書物(しゅむち)えましえあらんくとぅ、読(ゆ)まん。
Dくぬ書物えましえあいびらんくとぅ読なびらん。
Eやくとぅ、言(い)ちゃのお あらに。
Fやくとぅ、さんけえんでぃ言ちゃのおあらに。
G「汝(いゃあ)やまたん、しい破(や)んたるばあ」。「やくとぅよ」。
【解説】
日本語の「だから」が「だ」と「から」から成るように、沖縄語の「やくとぅ」も「や」と前講で説明した「くとぅ」から成ります。「や」は「やん」を終止形とする存在動詞(日本語の形容動詞にほぼ対応する)です。前講では「くとぅ」が動詞や形容詞に付く場合を、今講は存在動詞に付く場合について説明しています。存在動詞については第50講、63講、64講等を参照。
例文Dの「読なびらん」は主には首里や那覇等で見受けられ、地方では「読まびらん」、「読まやびらん」もあります。
例文Fの「さんけえ」は「すなけえ」とも言います。
例文Hの「やくとぅよ(だからよ)」と言えば、喧嘩に発展しそうな会話でも切り上げさせる効果があります。
首里では「読む」の終止形は「読ぬん」で那覇語系では「読むん」(マ行で変化)ですが、丁寧表現になったとたん、都市部等では那覇語系でさえ首里語の影響で一部がナ行に変化します。参附録「沖縄語におけるマ行とナ行の混在」。
日本語の「だから」が「だ」と「から」から成るように、沖縄語の「やくとぅ」も「や」と前講で説明した「くとぅ」から成ります。「や」は「やん」を終止形とする存在動詞(日本語の形容動詞にほぼ対応する)です。前講では「くとぅ」が動詞や形容詞に付く場合を、今講は存在動詞に付く場合について説明しています。存在動詞については第50講、63講、64講等を参照。
例文Dの「読なびらん」は主には首里や那覇等で見受けられ、地方では「読まびらん」、「読まやびらん」もあります。
例文Fの「さんけえ」は「すなけえ」とも言います。
例文Hの「やくとぅよ(だからよ)」と言えば、喧嘩に発展しそうな会話でも切り上げさせる効果があります。
首里では「読む」の終止形は「読ぬん」で那覇語系では「読むん」(マ行で変化)ですが、丁寧表現になったとたん、都市部等では那覇語系でさえ首里語の影響で一部がナ行に変化します。参附録「沖縄語におけるマ行とナ行の混在」。
【応用問題】次の沖縄語文を日本語文に直しなさい。
@彼(あり)え、えらびんちゅ選手やくとぅ、ふぃさ足ぬぐるさん。
Aくぬ実(ない)や値高(でえだかあ)やいびいくとぅ、買(こ)うやびらん。
Bくぬ問題(むんでえ)や出来(でぃき、りき)やあ、あらんくとぅ分(わ)からん。
Cあぬっ人(ちゅ)お、う年寄(とぅす)いやみせえくとぅ、白毛(しらぎ)ぬ生(み)いとおいびいん。
答え:
@彼は、選手だから、足が速い。
Aこの果物は高いから、買いません。
Bこの問題は優等生じゃないから、分かりません。
Cあの人は、お年寄りでいらっしゃるから、白毛が生えています。
@彼(あり)え、えらびんちゅ選手やくとぅ、ふぃさ足ぬぐるさん。
Aくぬ実(ない)や値高(でえだかあ)やいびいくとぅ、買(こ)うやびらん。
Bくぬ問題(むんでえ)や出来(でぃき、りき)やあ、あらんくとぅ分(わ)からん。
Cあぬっ人(ちゅ)お、う年寄(とぅす)いやみせえくとぅ、白毛(しらぎ)ぬ生(み)いとおいびいん。
答え:
@彼は、選手だから、足が速い。
Aこの果物は高いから、買いません。
Bこの問題は優等生じゃないから、分かりません。
Cあの人は、お年寄りでいらっしゃるから、白毛が生えています。
【第20講関連話題の日本語意訳】「さあさあ、ぴょんと登場いたしましたのは、泊前道の塩屋のばあちゃんでなのでありますがね。待ちかねていた五月四日の爬竜舟競争も、いよいよ今日になってしまい、あ〜らもう、爬竜舟競争の鉦もコンコン鳴ったりするもんだから、ほんとにもう、朝からこのばあちゃんたちは、居ても立っても、寝ても逆立ちしても居られないのだから、嫁のカマドゥウを連れて、爬竜舟競争を見物しに行かねばならないのですわよ。あのねええ、カマドゥウよ、カマドゥウったら」。(第13講からの日本語訳)