日本語
@やれば、できます。Aやれば、できるよ。
B洗ったら、きれくなる。
C冬になれば、寒くなる。(なると)
D持ったら(持てば)、軽いです。
E持ったら、軽いですよ。
F話せば、分かります。
Gごちそうしてあげれば、機嫌も直るよ。
うちなあぐち
@しいねえ、ないびいん。(しいや)Aしいねえ、ないさ(右同、なゆさ)。
B洗(あら)いねえ、ちゅらくなゆん。(洗いや)
C冬(ふゆ)んかい成いねえ、ふぃいくなゆん。(成いや)
D持(む)っちいねえ、軽(が)っさいびいん。(持っちいや)
E持っちいねえ、軽っさいびいさ。(右同)
F語(かた)いねえ、分かやびいん。(語いや、話しいねえ)
Gてぃでえいねえ、肝(ちむ)ん直(のお)ゆさ。(てぃでえいや)
【解説】
日本語の条件や仮定を表わす助詞「―(すれ)ば」、「(―する)と」、「―(した)ら」等に対応するのは、「ねえ」や「や」です。「いちゃりば兄弟」という慣用句にある「ば」は日本語から借用した文語です(例、組踊「大川敵討」に「いきやへは、兄弟、何うち隔のあが」)(泊詞)。但し、本島では実際の会話では用いませんので要注意です。
文例中の( )内の助詞「や」使いは都市部では殆ど耳にしなくなりました。地方では、特に年配者の間では、まだ健在ですが、「ねえ」が優勢になりつつあります。日本語系では「わ(は)」、「や」、「ば」は、入れ替わったりする事もありますから、「や」は「ば」の変形と考えられます。助詞を日本語から借用する事が多いのは八八八六調のるうか琉歌等において、土着語の助詞では韻がきれいに踏めないからです。
糸満の諺、「意地ぬ出じらあ、手引き、手ぬ出じらあ、意地引き」にある「らあ」(直訳 意地が出れば手を引け、手が出れば、意地を引け。意訳 怒っても手を出すな、出が出しそうになったら、怒りを静めろ)は、どちらかと言えば、条件をより強く表わす意味合いがあり、日本語の「なら」に対応します(参考第17講)。ちなみに、「らあ」は「らは(元は『らば』)」の広い意味での合音です。
文語に使われる沖縄語の「ば」の例:「東、明かがりば、墨習れが、行ちゅん」。日本語訳「東(の空)が明るくなれば、墨(文字)を習いに行く」。(民謡「てぃんさぐぬ花」より)
日本語の条件や仮定を表わす助詞「―(すれ)ば」、「(―する)と」、「―(した)ら」等に対応するのは、「ねえ」や「や」です。「いちゃりば兄弟」という慣用句にある「ば」は日本語から借用した文語です(例、組踊「大川敵討」に「いきやへは、兄弟、何うち隔のあが」)(泊詞)。但し、本島では実際の会話では用いませんので要注意です。
文例中の( )内の助詞「や」使いは都市部では殆ど耳にしなくなりました。地方では、特に年配者の間では、まだ健在ですが、「ねえ」が優勢になりつつあります。日本語系では「わ(は)」、「や」、「ば」は、入れ替わったりする事もありますから、「や」は「ば」の変形と考えられます。助詞を日本語から借用する事が多いのは八八八六調のるうか琉歌等において、土着語の助詞では韻がきれいに踏めないからです。
糸満の諺、「意地ぬ出じらあ、手引き、手ぬ出じらあ、意地引き」にある「らあ」(直訳 意地が出れば手を引け、手が出れば、意地を引け。意訳 怒っても手を出すな、出が出しそうになったら、怒りを静めろ)は、どちらかと言えば、条件をより強く表わす意味合いがあり、日本語の「なら」に対応します(参考第17講)。ちなみに、「らあ」は「らは(元は『らば』)」の広い意味での合音です。
文語に使われる沖縄語の「ば」の例:「東、明かがりば、墨習れが、行ちゅん」。日本語訳「東(の空)が明るくなれば、墨(文字)を習いに行く」。(民謡「てぃんさぐぬ花」より)
【応用問題】
次の日本語文を沖縄語文に直しなさい。
@夕方になったら、夕飯の支度をします。
A父は朝起きたら、掃き掃除をなさいます。
B散髪すれば、さっぱりします。
C電灯を点けると、明るくなるよ。
D汗をかくと、嫌なにおいがする。
答え:
@夕(ゆう)さんでぃないねえ、夕飯(ゆうばん)すがやびいん。
A父(すう)や朝(あさ)、起(う)きいねえ、掃(ほ)うちかちしみせえん。目上
B断髪(だんぱち)しいねえ、さっぱっとぅ、ないびいん。
C電灯点(でぃんとうち)きいねえ、明(あ)かがゆさ。
D汗(あし)ぬ走(は)いねえ、悪(や)な匂(かじゃ)すん。
註:「走ゆん」には「流れる」、「(立ち)去る」、「(汗等が)出る」、「(船等が)走る」等の意味があります。「悪な」はここでは「嫌な」という程度の意味です。「嫌」という当て字をする人もいます。