日本語
@ 私がこれを取ってはいけないと、言ったか。A 私がこれを取ってはいけないと言ったのか。
B 姉さんは学校に行けと、言いよったか。
C 君が電灯を消したのか。
D 彼が火を消したのか。(消しよったのか)
E あの子も、もう大人になったか。
F あの子にも、そのような計算ができたのか。
G あの頃も、今のように雨が降ったか。
H あの頃も、今のように雨が降りよったか。
I 君は昨日はどこへ行ったか。
J 君の友だちはどこへ行きよったか。
K おじいさんはどうやって、歩いたか。
L おばあさんはどのようにして、歩きよったか。
M 君はこの間は、何をしたか。
N 君の弟はあそこで、何をしよったか。
うちなあぐち
@ 我(わあ)がくりえ、取(とぅ)てえならんでぃ、言(い)ちゃみ。直A 我がるくりえ、取てえならんでぃ、言(ゆ)たるい。間
B 姉(あばあ)や、学校(ぐぁっこう)んかい行(い)きんでぃ言(ゆ)たみ。間
C 汝(やあ)がる電灯(でぃんとう)消(ちゃ)あちゃるい。直
D 彼(あり)がる火消(ふぃいちゃ)あすたるい。間
E あぬ童(わらび)ん、なあ、大人(うふっちゅ)成(な)たみ。(×てぃゃみ)直
F あぬ童ぬん、うんなさんみんぬ成ゆたみ。間
G うんにいん、今(なま)ぬ如(ぐとぅ)、雨(あみ)ぬ降(ふ)たみ。直
H うんにいん、今ぬ如、雨ぬふ降ゆたみ。間
I 汝(やあ)みえ、昨日(ちぬう)や、まあんかい、行(ん)じゃが。直
J 汝友(やあどぅし)え、まあんかい、行(い)ちゅたが。間
K 御主前(うすめえ、うしゅめえ)や、ちゃあし、歩(あ)っちゃが。直
L 婆前(はあめえ)や、如何(ちゃ)ぬ風儀(ふうじい)し、歩っちゅたが。間
M 汝(やあ)や、くね間(えだ)あ、何(ぬう)さが。(しゃが)直
N 汝弟(やあうっと)お、あまんじ、何(ぬう)すたが。間
【解説】
例文@〜Hは特定の状況やのものを尋ねる場合、また例文I〜Nはいつ、どこで、誰が、何を、どのように等を尋ねる疑問(疑問文については第1〜11講参照)ですが、特に過去疑問文から分かる事は直接過去と間接過去の使い方が必ずしも、固定的なルールがあるわけではないという事です。
直接過去と間接過去という表現はあくまで、表現者の考えの中にある「主観的」なものなのです。自分の動作の過去表現でも、話し相手に対して、自分の事を(客観化して)尋ねる場面等では文例Aのように、間接過去文(疑問文)を使う場合もあります。
なお、例文Eの(× )は実際には使わない形であり、直接過去助動詞の一部「ゃ」を表示するためのものです。
例文I 「汝めえ」は「汝(やあ)」の別形である「汝み(汝身?)」に係助詞「え」が付いたもので地方で多く使用されます。
例文@〜Hは特定の状況やのものを尋ねる場合、また例文I〜Nはいつ、どこで、誰が、何を、どのように等を尋ねる疑問(疑問文については第1〜11講参照)ですが、特に過去疑問文から分かる事は直接過去と間接過去の使い方が必ずしも、固定的なルールがあるわけではないという事です。
直接過去と間接過去という表現はあくまで、表現者の考えの中にある「主観的」なものなのです。自分の動作の過去表現でも、話し相手に対して、自分の事を(客観化して)尋ねる場面等では文例Aのように、間接過去文(疑問文)を使う場合もあります。
なお、例文Eの(× )は実際には使わない形であり、直接過去助動詞の一部「ゃ」を表示するためのものです。
例文I 「汝めえ」は「汝(やあ)」の別形である「汝み(汝身?)」に係助詞「え」が付いたもので地方で多く使用されます。
【応用問題】
次の疑問文を間接過去の疑問文に直しなさい。直せない場合は「不可」と表示しなさい。
@ 汝(やあ)やくぬ包丁(ほうちゃあ)や、研(とぅ)じゃみ。
A 彼(あり)え、何(ぬう)しいが、来(ち)ゃが。
B 汝(やあ)弟(うっとぅ)ん昨日(ちぬう)ぬ芝居見(しばいん)ちゃみ。
C あぬ二才(にいあせえ)達(たあ)ん、くまんかい来(ち)ゃみ。
D 童(わら)ん達(ちゃあ)や、まあんかい、ふぃん逃ぎたが(てぃゃが)。
答え:
@ 不可 (意味的におかしくなるから)
A 彼え、何しいが、ち来ちゅうたが。
B 汝弟ん、昨日ぬ芝居、ん見じゅたみ(「見(ぬ)うたみ」)。
C あぬ二才達ん、くまんかい、ち来ゅうたみ。
D 童ん達や、まんかい逃ぎゆたが(ふぃん逃ぎいたが)。
日本語意訳:
@君はこの包丁は研いだか。
A彼は何しに来たか。
B君の弟は昨日、芝居を見たか。
Cあの青年もここへ来たか。
D子供たちはどこへ逃げたか。
次の疑問文を間接過去の疑問文に直しなさい。直せない場合は「不可」と表示しなさい。
@ 汝(やあ)やくぬ包丁(ほうちゃあ)や、研(とぅ)じゃみ。
A 彼(あり)え、何(ぬう)しいが、来(ち)ゃが。
B 汝(やあ)弟(うっとぅ)ん昨日(ちぬう)ぬ芝居見(しばいん)ちゃみ。
C あぬ二才(にいあせえ)達(たあ)ん、くまんかい来(ち)ゃみ。
D 童(わら)ん達(ちゃあ)や、まあんかい、ふぃん逃ぎたが(てぃゃが)。
答え:
@ 不可 (意味的におかしくなるから)
A 彼え、何しいが、ち来ちゅうたが。
B 汝弟ん、昨日ぬ芝居、ん見じゅたみ(「見(ぬ)うたみ」)。
C あぬ二才達ん、くまんかい、ち来ゅうたみ。
D 童ん達や、まんかい逃ぎゆたが(ふぃん逃ぎいたが)。
日本語意訳:
@君はこの包丁は研いだか。
A彼は何しに来たか。
B君の弟は昨日、芝居を見たか。
Cあの青年もここへ来たか。
D子供たちはどこへ逃げたか。