日本語
@ 彼氏が張ってくれたむんじゅる笠はきれいだな。A 涼しい風が吹けば、良い塩梅だけど。
B 物事はすべて、良し悪しである。
C 珍しいこと(もあるもんだ)、毎晩(のように)、泊高橋を通い、夜明け迄、泣き明かす人は。
D 戦争のときの話を聞けば、恐ろしいものです。
E あなたの壷は珍しいものですよ。
うちなあぐち
@ さとぅ里(さとぅ)が張てぃ呉(くぃ)てえるむんじゅる笠(がさ)やちゅらむぬやっさあ。(ちゅらさるむぬ)ク活A 涼風(しだかじ)ぬ吹(ふ)ちいねえ良(い)い塩梅(あんべえ、やんべえ)やるむぬ。(涼さる風)ク活
B 物事(むぬぐと)お諸(むる)、良(い)いむん、悪(や)なむんどぅやる。(悪なさるむん)ク活 (首里語は「良たっさ、悪っさ」)
C ふぃるましむん、毎夜(めえゆる)、泊(とぅまい)ぬ高橋通(たかはしかゆ)てぃ明(あ)き方(がた)なる迄泣(までぃな)ち明(あ)かする人(ふぃとぅ)や。(ふぃるまさるむん)シク活
D 戦(いくさ)ぬばすぬ話聞(はなしち)ちいねえ、恐(うとぅ)るしむんやいびいん。(恐るさるむん)シク活
E うんじゅが壷(ちぶ)お、珍(みじら)しいむぬやいびいさ。(珍さるむぬ)。シク活。
【説明】
形容詞の連体形はク活用とシク活用の何れも統一的な形(語幹+さる、しゃる)になります。しかしながらク活用に於いては、例文@〜Bのように、またシク活用に於いては、連体形ではなく、多くは例文C〜Eのような連体修飾用法を多く用います。両者の形の違いは例文にある通りです。
●ク活用の連体修飾用法:概ね語幹が連体修飾語になります。
例:美(ちゅ)ら+影(かあぎ)(美人)、いきら+むん(少数のもの)、冷(ふぃ)ずる+水(みじ)(冷たい水)、新衣(みいじん)、固鉄(くふぁがに)、遠回(とぅうまあ)い等。例外:まあさむん(おいしいもの)、はごうりいむん(汚いもの)等。
●シク活用の連体修飾用法:概ね「語幹+し」または「語幹+しい」になります。「し」を用いる場合は、主に被修飾語は「むん」となり、概念的な日本語の「―しい事」の意味になります。この場合の「むん」は具体的な「物(もの)」ではなく「事(こと)」を表わします。「―しい」を用いる場合はその被修飾語は「具体的なもの」を表わします。
例えば、ある三味線を見て、話し手が「ふぃるましいむん」と表現した場合は「三味線そのもの」が「珍しい」という意味ですが、「ふぃるましむん」と表現した場合は、「こういう三味線は珍しい」等の意味合いになります。
例文@ 舞踊「むんじゅる笠(がさ)」と「芋(んむ)ぬ葉(ふぁあ)節」より借用しました。
例文C 歌劇「泊阿嘉(とぅまいああかあ)」(我如古弥栄作)から借用しました。「人(ふぃとぅ)」は日本語からの借用語です。
形容詞の連体形はク活用とシク活用の何れも統一的な形(語幹+さる、しゃる)になります。しかしながらク活用に於いては、例文@〜Bのように、またシク活用に於いては、連体形ではなく、多くは例文C〜Eのような連体修飾用法を多く用います。両者の形の違いは例文にある通りです。
●ク活用の連体修飾用法:概ね語幹が連体修飾語になります。
例:美(ちゅ)ら+影(かあぎ)(美人)、いきら+むん(少数のもの)、冷(ふぃ)ずる+水(みじ)(冷たい水)、新衣(みいじん)、固鉄(くふぁがに)、遠回(とぅうまあ)い等。例外:まあさむん(おいしいもの)、はごうりいむん(汚いもの)等。
●シク活用の連体修飾用法:概ね「語幹+し」または「語幹+しい」になります。「し」を用いる場合は、主に被修飾語は「むん」となり、概念的な日本語の「―しい事」の意味になります。この場合の「むん」は具体的な「物(もの)」ではなく「事(こと)」を表わします。「―しい」を用いる場合はその被修飾語は「具体的なもの」を表わします。
例えば、ある三味線を見て、話し手が「ふぃるましいむん」と表現した場合は「三味線そのもの」が「珍しい」という意味ですが、「ふぃるましむん」と表現した場合は、「こういう三味線は珍しい」等の意味合いになります。
例文@ 舞踊「むんじゅる笠(がさ)」と「芋(んむ)ぬ葉(ふぁあ)節」より借用しました。
例文C 歌劇「泊阿嘉(とぅまいああかあ)」(我如古弥栄作)から借用しました。「人(ふぃとぅ)」は日本語からの借用語です。
【応用問題】
次の文中の形容詞を別の表現に変えなさい。
@ はごうさる物(むぬ)お、食(か)まんけえ。
A まあさしえ、無(ね)えやびらに。
B なあふぃん、薄(ふぃ)っさる紙(かび)、とぅめえれえ。
C 実(じゅん)に、彼(あり)え、みっくぁさるっ人(ちゅ)やっさあ。
D 後(くし)ぬ原(もう)や、さぼうりてぃ、しからあさる所(とぅくる)やいびいん。
答え:
@ はごうりいむぬお、食(か)まんけえ。(食むなけえ)
A まあさむんや、無えやびらに。
B なあふぃん、薄(ふぃ)し紙(かび)、とぅめえれえ。
C 実(じゅん)に、あぬっ人(ちゅ)お、みっくぁし者(むん)やっさあ。
D 後(くし)ぬ原(もう)や、さぼうりてぃ、しからあしい所(とぅくる、とぅくま)やいびいん。
日本語意訳:
@汚いものは食べないで。
A美味しいものはないですか。
Bもっと薄い紙を探せ。
Cほんとうに、あの人は憎たらしい人だよ。
D後の野原は荒れてしまって寂しい所です。
次の文中の形容詞を別の表現に変えなさい。
@ はごうさる物(むぬ)お、食(か)まんけえ。
A まあさしえ、無(ね)えやびらに。
B なあふぃん、薄(ふぃ)っさる紙(かび)、とぅめえれえ。
C 実(じゅん)に、彼(あり)え、みっくぁさるっ人(ちゅ)やっさあ。
D 後(くし)ぬ原(もう)や、さぼうりてぃ、しからあさる所(とぅくる)やいびいん。
答え:
@ はごうりいむぬお、食(か)まんけえ。(食むなけえ)
A まあさむんや、無えやびらに。
B なあふぃん、薄(ふぃ)し紙(かび)、とぅめえれえ。
C 実(じゅん)に、あぬっ人(ちゅ)お、みっくぁし者(むん)やっさあ。
D 後(くし)ぬ原(もう)や、さぼうりてぃ、しからあしい所(とぅくる、とぅくま)やいびいん。
日本語意訳:
@汚いものは食べないで。
A美味しいものはないですか。
Bもっと薄い紙を探せ。
Cほんとうに、あの人は憎たらしい人だよ。
D後の野原は荒れてしまって寂しい所です。