うちなあぐち
@ 持(む)ちぬ事(くと)お言(い)い置(う)ちょおちゅくとぅやあ。A どぅまんぐぃとおたくとぅ、又(また)ん言(い)い破(やん)たん。
B うっかぬ事(くと)お、言(い)いかんてぃいし、ならんさあ。
C 夫(うとぅ)ぬ事(くとぅ)、言(い)い返(けえ)し返(げえ)しするむんやれえ、自(どぅう)や如何(ちゃあ)がやら、考(かんげ)えてぃんでえ。
D あんすか、人(ちゅ)ぬ事(くとぅ)、言(い)いしったらかしいねえ、にさぶらりやびいんどお。
E 我(わあ)考(かんげ)えや諸(むる)、言(い)い曲(ま)ぎらってぃ、伝(ちて)えらっとおん。
F 今先言(なまさちい)ちゃる事(くと)お言(い)いっ過(くぁ)やくとぅ、言(い)い直(のお)さびいさ。
日本語
@ 財産の事は事は言い残しておくからな。A うろたえていたので、又も言い損なった。
B 借金の事は言いかねるから、どうしようもないな。
C 夫の事をくどくど言うのなら、自分はどうなのか、考えてみて。
D そんなにまで、人の事をけなす(悪く言う)と、嫌がられますよ。
E 私の考えは全部、歪曲されて、伝えられている。
F 先ほど言った事は失言(言い過ぎ)だから訂正します。
【解説】沖縄語の慣用句や言い回しを日本語に訳すと、一見複数の意味があるかのように思えるかもしれませんが、馴れてくれば、言い回し・慣用句の進化の方向(仕方)に差が生じてきたためで、基本的な意味はしっかりしていて、それほどずれてない事に気付く筈です。
例文@ 「持ち」は資産や財産の意味。「言い置ちゅん」は「言い残すん」とも言います。「くとぅ やあ」は「(だ)から なあ」。
例文A 「言い破じゅん」は、例文の意味の他に「下手な言い方をする」、「中傷する」等の意味もあります。
例文B 「うっか」は「借金」、「負債」の意味です。「ならんさあ」は文脈によっては「いやだな」、「どうにもしようがない」の意味にもなります。
例文D 「言いしったらかすん」は「言いしたらかすん」とも言う。「あんすか」は「あんしゅか」とも言います。
例文E 「言い曲ゆん」はここでは文字通り「言った事を歪曲する」の意味ですが、「相手を強引に言葉で押さえ込む」の意味にもなります。
例文F 「言い過」は過ぎれば「失言」に発展します。ひっよとすると、「失言」は「本音の言い過ぎ」の延長?。
例文@ 「持ち」は資産や財産の意味。「言い置ちゅん」は「言い残すん」とも言います。「くとぅ やあ」は「(だ)から なあ」。
例文A 「言い破じゅん」は、例文の意味の他に「下手な言い方をする」、「中傷する」等の意味もあります。
例文B 「うっか」は「借金」、「負債」の意味です。「ならんさあ」は文脈によっては「いやだな」、「どうにもしようがない」の意味にもなります。
例文D 「言いしったらかすん」は「言いしたらかすん」とも言う。「あんすか」は「あんしゅか」とも言います。
例文E 「言い曲ゆん」はここでは文字通り「言った事を歪曲する」の意味ですが、「相手を強引に言葉で押さえ込む」の意味にもなります。
例文F 「言い過」は過ぎれば「失言」に発展します。ひっよとすると、「失言」は「本音の言い過ぎ」の延長?。
【応用問題】例文を参考に次の文を別の沖縄語文に直しなさい。
@ あんし、人(ちゅ)ぬ悪(や)な口(ぐち)、言(ゆ)し(せ)えあらんどお。
A 物言(むぬい)い様(よう)ぬ悪(わ)っさぬ、父(すう)なかいけえ呪(ぬら)あったん。
B 彼(あり・)え嘘(ゆく)さあやんでぃち、ばっぺえらっとおん。
答え:
@ あんし、人ぬ事(くとぅ)、言(い)いしったかしいねえならんどお。
A 言(い)い破(やん)てぃ、父なかいけえ呪あったん。
B 彼は嘘さあやんでぃち、言(い)い曲(ま)ぎらっとおん。
日本語意訳:
@そんなに人の悪口をいうものではないよ。
A口の聞き方が悪くて、父に怒られてしまった。
B彼は嘘つきだと、歪曲して言われている。
@ あんし、人(ちゅ)ぬ悪(や)な口(ぐち)、言(ゆ)し(せ)えあらんどお。
A 物言(むぬい)い様(よう)ぬ悪(わ)っさぬ、父(すう)なかいけえ呪(ぬら)あったん。
B 彼(あり・)え嘘(ゆく)さあやんでぃち、ばっぺえらっとおん。
答え:
@ あんし、人ぬ事(くとぅ)、言(い)いしったかしいねえならんどお。
A 言(い)い破(やん)てぃ、父なかいけえ呪あったん。
B 彼は嘘さあやんでぃち、言(い)い曲(ま)ぎらっとおん。
日本語意訳:
@そんなに人の悪口をいうものではないよ。
A口の聞き方が悪くて、父に怒られてしまった。
B彼は嘘つきだと、歪曲して言われている。
このブログにおけるうちなあぐちの表記法の方針
◆単語の持つ固有音の長音は母音(あ、い、う、え、お)で表記する。(例語の太字部分)
沖縄語例:とお、あんせえやあ、うしゅめえ。
日本語例:じゃあ、ねえ、おじいさん。
但し、カタカナ表記されている外来語の場合は固有音であっても「―」を使う。
◆臨時的伸ばし音の場合は棒引ち記号「―」を使う。
沖縄語例:いぇえー、しまぶくー。(島袋氏呼ぶ場合の「しまぶく」の伸ばし音)
日本語例:おーい、島袋さーん。(「おい」の臨時伸ばし音)
(したがって、会話体以外(=地の文)においては使われる事は無い)
註:「おもろさうし」「組踊」等のそうであったように日本語の表記法に準じています。
◆単語の持つ固有音の長音は母音(あ、い、う、え、お)で表記する。(例語の太字部分)
沖縄語例:とお、あんせえやあ、うしゅめえ。
日本語例:じゃあ、ねえ、おじいさん。
但し、カタカナ表記されている外来語の場合は固有音であっても「―」を使う。
◆臨時的伸ばし音の場合は棒引ち記号「―」を使う。
沖縄語例:いぇえー、しまぶくー。(島袋氏呼ぶ場合の「しまぶく」の伸ばし音)
日本語例:おーい、島袋さーん。(「おい」の臨時伸ばし音)
(したがって、会話体以外(=地の文)においては使われる事は無い)
註:「おもろさうし」「組踊」等のそうであったように日本語の表記法に準じています。