うちなあぐち
@ 童(わら)ん達(ちゃあ)んかい、良(ゆ)う、言(い)い習(なら)あしよおやあ。A うぬ事(くとぅ)し、諸(むる)なかい、けえ言(い)いくじらったるむん。
B 彼(あり)が事(くと)お、誰(たあ)んかいん、言(い)い広(ふぃる)ぎらんきよお。
C 先生(しんしい)や生徒、(しいとぅ)言(い)い入(い)りゆんでぃち、やっぱとおいびいん。
D 何(ぬう)んあらなそおてぃ、あんし、言(い)い立(た)てぃてぃ。
E くぬ前(めえ)ぬ約束(やくすく)お、なあ言(い)い返(けえ)すくとぅ、許(ゆる)ち取(とぅ)らし。
F 彼(うり)え、都合(ちごう)ぬ悪(わ)っさぬ、言(い)い回(まあ)らさんでぃそおん。
日本語
@ 子供たちに、良く、教えてちょうだいね。A その事で、皆にけなされてしまったものだ。
B 彼の事は誰にも言い触らさないでよ。
C 先生は説得しようと、頑張っています。
D 何でもないのに、そんなに、大袈裟に言って。
E この前の約束はもう取り消すのでごめんなさい。
F 彼は都合が悪いので、誤魔化そうとしている。
【解説】沖縄語の言い回しは、独自に発達してきたものが多いです。「言ん」に関する言い回し、慣用句にも独特のものがあります。
例文@ 「言い習あすん」は「言って教える」。「言ち習あすん」に言い換えることもできます。
例文A 「言いくじゆん」は「言ん」と「くじゆん(穿る、抉り出す、皮肉る)」から成ります。概ね、「くじい物言いすん」と重なります。
例文B 「言い広ぎゆん」は「言い触らす」、「吹聴する」等の意味。「叫びたっ加あすん」の言い方とも重なる部分もあります。
例文C 「言い入りゆん」は「説得する」、「言い聞かせる」等の意味。「言ち聞かすん」とも重なります。
例文D 「言い立てぃゆん」は「必要以上に言い騒ぐ」、「誇張する」、「大袈裟に言う」等の意味。勿論、「言ち騒じゅん」、「うふ物言いすん」等、別の言い方もできます。
例文E 「言い返すん」は「約束等取り消す」、「前言を翻す」等の意味。
例文F 「言い回らすん」は「のらりくらり言い逃れる」、「言い誤魔化す」等の意味。「あり言ちゃいくり言ちゃいし、ばばくぁあすん」という表現する事もできます。
例文@ 「言い習あすん」は「言って教える」。「言ち習あすん」に言い換えることもできます。
例文A 「言いくじゆん」は「言ん」と「くじゆん(穿る、抉り出す、皮肉る)」から成ります。概ね、「くじい物言いすん」と重なります。
例文B 「言い広ぎゆん」は「言い触らす」、「吹聴する」等の意味。「叫びたっ加あすん」の言い方とも重なる部分もあります。
例文C 「言い入りゆん」は「説得する」、「言い聞かせる」等の意味。「言ち聞かすん」とも重なります。
例文D 「言い立てぃゆん」は「必要以上に言い騒ぐ」、「誇張する」、「大袈裟に言う」等の意味。勿論、「言ち騒じゅん」、「うふ物言いすん」等、別の言い方もできます。
例文E 「言い返すん」は「約束等取り消す」、「前言を翻す」等の意味。
例文F 「言い回らすん」は「のらりくらり言い逃れる」、「言い誤魔化す」等の意味。「あり言ちゃいくり言ちゃいし、ばばくぁあすん」という表現する事もできます。
【応用問題】次の文の太字の部分を下の慣用句で言い直しなさい。
@今先(なまさち)あちれえたるむぬお、なあ、済(し)まびいさ。(言い返すん)
A彼女(あり)が事訊(くとぅち)ちちん、彼(うり・)え、別(びち)ぬ物言(むぬい)いどぅさびいる(言い回らすん)。
B行(い)くなんでぃち、ちゃっさ言(い)ちん、聞(ち)ちゃびらん。
C太郎(たるう)や次郎(じらあ)なかい、叫(あ)びらってぃ、面白(うむく)ん無(ね)えんたん(言いくじゆん)。
Dうっぴ小(ぐぁあ)ぬ事(くとぅ)ん、あんすか、叫(あ)びやあ叫びやあし(言い立てぃゆん)。
答え:
@言い返さびいん。
A言い回らしいどぅさびいる。
B言い入りてぃん聞ちゃびらん。
C言いくじらってぃ。
D言い立てぃてぃ。
日本語意訳:
@先ほど注文したものは取り消します。
A彼女の事を訊いても、彼は誤魔化すのです。
B行くなと、いくら説得しても、聞きません。
C太郎は次郎に皮肉られて、面白くなかった。
Dそれだけの事で、そんなに大袈裟に言われて。
@今先(なまさち)あちれえたるむぬお、なあ、済(し)まびいさ。(言い返すん)
A彼女(あり)が事訊(くとぅち)ちちん、彼(うり・)え、別(びち)ぬ物言(むぬい)いどぅさびいる(言い回らすん)。
B行(い)くなんでぃち、ちゃっさ言(い)ちん、聞(ち)ちゃびらん。
C太郎(たるう)や次郎(じらあ)なかい、叫(あ)びらってぃ、面白(うむく)ん無(ね)えんたん(言いくじゆん)。
Dうっぴ小(ぐぁあ)ぬ事(くとぅ)ん、あんすか、叫(あ)びやあ叫びやあし(言い立てぃゆん)。
答え:
@言い返さびいん。
A言い回らしいどぅさびいる。
B言い入りてぃん聞ちゃびらん。
C言いくじらってぃ。
D言い立てぃてぃ。
日本語意訳:
@先ほど注文したものは取り消します。
A彼女の事を訊いても、彼は誤魔化すのです。
B行くなと、いくら説得しても、聞きません。
C太郎は次郎に皮肉られて、面白くなかった。
Dそれだけの事で、そんなに大袈裟に言われて。
このブログにおけるうちなあぐちの表記法の方針
◆単語の持つ固有音の長音は母音(あ、い、う、え、お)で表記する。(例語の太字部分)
沖縄語例:とお、あんせえやあ、うしゅめえ。
日本語例:じゃあ、ねえ、おじいさん。
但し、カタカナ表記されている外来語の場合は固有音であっても「―」を使う。
◆臨時的伸ばし音の場合は棒引ち記号「―」を使う。
沖縄語例:いぇえー、しまぶくー。(島袋氏呼ぶ場合の「しまぶく」の伸ばし音)
日本語例:おーい、島袋さーん。(「おい」の臨時伸ばし音)
(したがって、会話体以外(=地の文)においては使われる事は無い)
註:「おもろさうし」「組踊」等のそうであったように日本語の表記法に準じています。
◆単語の持つ固有音の長音は母音(あ、い、う、え、お)で表記する。(例語の太字部分)
沖縄語例:とお、あんせえやあ、うしゅめえ。
日本語例:じゃあ、ねえ、おじいさん。
但し、カタカナ表記されている外来語の場合は固有音であっても「―」を使う。
◆臨時的伸ばし音の場合は棒引ち記号「―」を使う。
沖縄語例:いぇえー、しまぶくー。(島袋氏呼ぶ場合の「しまぶく」の伸ばし音)
日本語例:おーい、島袋さーん。(「おい」の臨時伸ばし音)
(したがって、会話体以外(=地の文)においては使われる事は無い)
註:「おもろさうし」「組踊」等のそうであったように日本語の表記法に準じています。
「はなしことば」、「?かきことば」及び「?文語」の区別に関する考え方(異なる意見があることは承知いたしおります)。?
◆?「はなしことば」=会話調のことば。語尾に感嘆詞「ねえ」、「?よ」、「?さ」を頻繁に用いる。同じ事を繰り返したり文法(語順)が乱れがちだが、話し手、聞き手とも気にしなくて済まされる世界。また、それらを「単にメモったもの」。
?
例:きよーわねー、天気がいーじゃない。だからさー、みんなで、うんどーこーえんにいこーよー。
?
◆「書きことば、文章にすることば、文章語」=?感嘆詞を取り除いた澄まし言葉で成り立つ。無駄な語を省き、文法(語順)や文の流れを気を気にして書く。したがって概ね起承転結が明確である。
?
例:今日は、天気が良いので、皆で、運動公園に行こう。
?
◆「文語」=辞典上では二通りの意味がある。一つは「書きことば」や「文章ことば」の意味。二つには、江戸時代までの書きことば。したがって、「古語」とは意味が重なる部分がある。
?
現在、「書きことば」のつもりで流行している棒引き記号「ー」?を使う文章は、固有長音と伸ばし音の区別されてなく、「はなしことば」をそのまま「メモ書き」に直したようなものの域をでない。ことばを「書いたもの」だからといって、イコール「書きことば」とはかぎらないのである。
?
日本語表記である「ひらがら」を借用するのであれば、その使い方(歴史的慣習ルール)もセットで借用すべきであると考える。
? ちなみに、日本語のひらがな使用のルールは、
1.単語の固有長音(太字部分)は母音(あ、?い、う、え、お)で表示する。したがって、日本語辞書にはカタカナで表記される外来語以外は「ー」を使う単語はない。
例:それじゃあ、またねえ、おじいさん、おばあさん。
2.伸ばし音(臨時的)対しては、「ー?」を使う。
例:おーい、ひろしくーん、こっちへ、きてよー。(「おい、ひろしくん、こちへきてよ」の臨時伸ばし音)
3.但し、外来語などカタカナで表記される語については「ー」使用もありうる。
◆?「はなしことば」=会話調のことば。語尾に感嘆詞「ねえ」、「?よ」、「?さ」を頻繁に用いる。同じ事を繰り返したり文法(語順)が乱れがちだが、話し手、聞き手とも気にしなくて済まされる世界。また、それらを「単にメモったもの」。
?
例:きよーわねー、天気がいーじゃない。だからさー、みんなで、うんどーこーえんにいこーよー。
?
◆「書きことば、文章にすることば、文章語」=?感嘆詞を取り除いた澄まし言葉で成り立つ。無駄な語を省き、文法(語順)や文の流れを気を気にして書く。したがって概ね起承転結が明確である。
?
例:今日は、天気が良いので、皆で、運動公園に行こう。
?
◆「文語」=辞典上では二通りの意味がある。一つは「書きことば」や「文章ことば」の意味。二つには、江戸時代までの書きことば。したがって、「古語」とは意味が重なる部分がある。
?
現在、「書きことば」のつもりで流行している棒引き記号「ー」?を使う文章は、固有長音と伸ばし音の区別されてなく、「はなしことば」をそのまま「メモ書き」に直したようなものの域をでない。ことばを「書いたもの」だからといって、イコール「書きことば」とはかぎらないのである。
?
日本語表記である「ひらがら」を借用するのであれば、その使い方(歴史的慣習ルール)もセットで借用すべきであると考える。
? ちなみに、日本語のひらがな使用のルールは、
1.単語の固有長音(太字部分)は母音(あ、?い、う、え、お)で表示する。したがって、日本語辞書にはカタカナで表記される外来語以外は「ー」を使う単語はない。
例:それじゃあ、またねえ、おじいさん、おばあさん。
2.伸ばし音(臨時的)対しては、「ー?」を使う。
例:おーい、ひろしくーん、こっちへ、きてよー。(「おい、ひろしくん、こちへきてよ」の臨時伸ばし音)
3.但し、外来語などカタカナで表記される語については「ー」使用もありうる。