うちなあぐち
@ 試験前(しきんめえ)に遊(あし)びすしん、肝(ちむ)ぬ余(あま)いどぅやる。A 祝儀(しゅうじ)ぬ支(し)こういすんち、今日(ちゅう)やひっちい、肝忙(ちむいちゅ)なさん。
B 明日(あちゃあ)あ試験やしが、掛かいがすら肝ふぃちゃぎそおん。
C 汝(いゃあ)肝当(ちむあ)てぃげえや何(ぬう)ぬ後(くし)当(ゃて)ぃん無(ね)えな、得(い)らりらん。
D 初(はじ)みてぃ車歩(くるまあ)っすくとぅ、でえじな肝だくみちそおん。
E 今(なま)から思里(うみさとぅ)ぬ面拝(ちらうが)みいが行ちゅんでぃ、思(うむ)いねえ、でえじな、肝ぶとぅみちそおん。
F 孫(んまが)ん達(ちゃあ)や実(じゅん)に、うじらさんあい肝愛(ちむがな)さんあん。
日本語
@ 試験前に娯楽を楽しむのも心の余裕というものである。A 御祝いの準備をするんだと、今日は終日、気忙しい。
B 明日は試験だけど、合格するのか不安である。
C 君の当て推量は何の根拠もなく信用できない。
D 初めての車を運転するのでとても不安でいっぱいだ。
E 今から彼氏に逢いに行くのかと思うと、とても、胸がときめいている。
F 孫たちは本当に、美しくもあり心底可愛いくもある。
【解説】
紛らわしい語句もありますが、慣れてしまえば難しいものではありません。
例文@ 「遊び」は「子供の遊び」の意味の他、「歌・楽器・舞踊」等を楽しむ事を言います。
例文A 「祝儀」は「祝い事」の意味。「ひっちい」は「ふぃっちい(首里語系)」とも言います。
例文B 「肝ふちゃぎ」は例文Dの「肝だくみち」より「気掛かり程度」の「軽い不安」を表します。
例文C 「肝当てぃげえ」は、ほぼ同じ意味で「当てぃげえふう」、「さっちゅう」等があります。
例文D 「肝だくみち」は擬音語である「だくだくう(心臓がどきどき、動悸・鼓動がする様)」と関係ある語です。「-みち」は「-する事、-する道。する方法」等を表わす接尾語です。但し「ふとぅふとぅう」は恐怖や不安等で「ぶるぶる」、「がたがた」と「震える様」を表わす副詞です。
例文E 「面拝むん(首里語では「面拝ぬん」)は単に「逢う」としました。「肝ぶとぅみち」の「ぶとぅ」は欲しい物を早めに手に入れたい心情を表わす「ふとぅとぅ」の「ふとぅ」の濁音です。まさに「胸が欲や期待に向かってときめく心情」を表しています。
例文F 単に「かなさん」より、深い愛情を表わす語です。民謡に「肝がなさ節」というのがあります。
紛らわしい語句もありますが、慣れてしまえば難しいものではありません。
例文@ 「遊び」は「子供の遊び」の意味の他、「歌・楽器・舞踊」等を楽しむ事を言います。
例文A 「祝儀」は「祝い事」の意味。「ひっちい」は「ふぃっちい(首里語系)」とも言います。
例文B 「肝ふちゃぎ」は例文Dの「肝だくみち」より「気掛かり程度」の「軽い不安」を表します。
例文C 「肝当てぃげえ」は、ほぼ同じ意味で「当てぃげえふう」、「さっちゅう」等があります。
例文D 「肝だくみち」は擬音語である「だくだくう(心臓がどきどき、動悸・鼓動がする様)」と関係ある語です。「-みち」は「-する事、-する道。する方法」等を表わす接尾語です。但し「ふとぅふとぅう」は恐怖や不安等で「ぶるぶる」、「がたがた」と「震える様」を表わす副詞です。
例文E 「面拝むん(首里語では「面拝ぬん」)は単に「逢う」としました。「肝ぶとぅみち」の「ぶとぅ」は欲しい物を早めに手に入れたい心情を表わす「ふとぅとぅ」の「ふとぅ」の濁音です。まさに「胸が欲や期待に向かってときめく心情」を表しています。
例文F 単に「かなさん」より、深い愛情を表わす語です。民謡に「肝がなさ節」というのがあります。
【応用問題】
次の文中の太字の語句に誓い慣用句・言い回しを右例文を参考に言い直しなさい。
@ 山道(やまみち)んじハブんかいはっちゃがらあらんでぃ、竦(しか)どおん。
A 大人(うふっちゅ)ないねえ、諸(むる)ぬ事考(くとぅかんげ)えゆるゆちみんありわるやる。
B 察(さっ)ちゅうや、いちゃんだん、しん済(し)むんでぃ言(ゆ)るむぬおあらんどおやあ。
C あんし好ちょおる女(ゐなぐ)やらあ、早(ふぇえ)く妻(とぅじ)にすしどぅましやる。
D 明日(あちゃ)ぬ天気(うわあちち)ぬ事(くとぅ)やれえ、何(ぬう)ん心配(しわ)(註)さんてぃん、済(し)むさ。
答え:
@ 肝だくみちそおん。
A 肝ぬ余い。
B 肝当てぃげえ。
C 肝愛さそおる。
D 肝ふぃちゃぎ。
日本語意訳:
@山道でハブに遭遇しないかと怖がっている。
A大人になれば、皆の事を世話する(だけの)ゆとりを持つべきだ。
B当てずっぽうは、むやみにやって良いというものではないよ。
C心から愛しているなら早く結婚するのがよいのある。
D明日の天気の事なら何の心配も要らないよ。
註:「心配」は「世話(しわ)」からの転用ですが、紛らわしいですので、筆者の場合は「心配」を当てています。
次の文中の太字の語句に誓い慣用句・言い回しを右例文を参考に言い直しなさい。
@ 山道(やまみち)んじハブんかいはっちゃがらあらんでぃ、竦(しか)どおん。
A 大人(うふっちゅ)ないねえ、諸(むる)ぬ事考(くとぅかんげ)えゆるゆちみんありわるやる。
B 察(さっ)ちゅうや、いちゃんだん、しん済(し)むんでぃ言(ゆ)るむぬおあらんどおやあ。
C あんし好ちょおる女(ゐなぐ)やらあ、早(ふぇえ)く妻(とぅじ)にすしどぅましやる。
D 明日(あちゃ)ぬ天気(うわあちち)ぬ事(くとぅ)やれえ、何(ぬう)ん心配(しわ)(註)さんてぃん、済(し)むさ。
答え:
@ 肝だくみちそおん。
A 肝ぬ余い。
B 肝当てぃげえ。
C 肝愛さそおる。
D 肝ふぃちゃぎ。
日本語意訳:
@山道でハブに遭遇しないかと怖がっている。
A大人になれば、皆の事を世話する(だけの)ゆとりを持つべきだ。
B当てずっぽうは、むやみにやって良いというものではないよ。
C心から愛しているなら早く結婚するのがよいのある。
D明日の天気の事なら何の心配も要らないよ。
註:「心配」は「世話(しわ)」からの転用ですが、紛らわしいですので、筆者の場合は「心配」を当てています。