うちなあぐち
@ 下手(しちゃでぃい)ねえゆるあたいぬ手引(てぃいふぃ)ち坊主(ぼうじ)とお組(ぐう)なるな。A 手癖(てぃいぐし)ぬ悪(わ)っさるっ人(ちゅ)ぬ、人(ちゅ)ぬ家(やあ)んじん手探(てぃいさぐ)いすん。
B 彼(あり)え手節(てぃぶし)ぬあくとぅ、手綱(てぃいんな)ん、ふぃっ切(ち)ちねえらん。
C 手(てぃい)ごう付(ち)ちょおたくとぅ、手(てぃい)ぬ裏(うら)し面掃(ちらほ)おかったん。
D 我(わん)ねえ手仕(てぃじけ)えそおくとぅ、くぬ仕口(しくち)え手分(てぃわ)きし取(とぅ)らし。
E 手(てぃい)置(うっちゃ)きなゆる肩(かた)んかいあるゑえ瘡(よう)あ手遅(てぃいうく)りならんうちなかい、早(ふぇえ)く手(てぃい)入(い)りしわるなゆる。
F 手習(てぃなれ)えや片分(かたわ)き手(てぃい)しみてぃ勝負(しゅうぶ)しみりわる上手(じょうじ)ないる。
G 布織(ぬぬうい)しい慣(な)りとおる下手(しちゃでぃい)ぬ女(ゐなぐ)ん手(てぃい)まみじすたん。
H 空(ん)な手(でぃい)し(せ)え行(い)かんようい、手巾(てぃいさあじ)ぐれえ持(む)っち行(い)かに。
日本語
@ 賄賂をする程の悪友とはグルになるな。A 盗み癖のある者が、他人の家でも手探りする。
B 彼は腕っぷしがあるから手綱(たづな、ちいさなつな)も切ってしまった。
C 悪戯癖が付いていたから、平手でビンタを食らわされた。
D 私は手が塞がっているから、この仕事は手分けしてくれ。
E が届く肩にある瘍(できもの)は手遅れにならない内に、手術しなければならない。
F 字の稽古は二手に分けて勝負させてこそ上達する。
G 機織仕事をやり慣れた身分の低い女も手順を間違えた。
H 手ぶらで行かないで、手拭いぐらいは持って行かないか。
【解説】「てぃふぁな業(わざ)(危険な業)」、「てぃべえゆん(暴れる)」等が「手」の慣用句なのかは判断できませんので紹介だけに止めておきます。なお「手(てぃい)たっ食(くぁ)あす(ふ)ん」で「火傷する」の意味になる地域(石川山城)があります。
例文@「下手」は「袖の下から出す手」に喩えた「賄賂」。「手引ち坊主」は「引導僧」から転じて「誘惑する悪友」。
例文A「手癖」は「手癖」から発展して「盗む癖」の意。「手探い」は「(暗がりなどで)手探りする事」。
例文B「手節」は日本語のそれとニュアンスが異なり主には「腕っ節」の意ですが「げんこつ」という意味もあります。「手綱」は綱引きの際の大綱に付随した「小綱」で、綱引きは「手綱」を引いて行ないます。
例文C「手ごう」は「手でする悪戯」で52講の「手んちゃま」、54講の「手弄たん」に同じ。「手ごう付ちょおん」で、「悪戯癖が付いている」の意。
例文D「手支え」は「手が塞がっている事」。
例文E「手置き」は「(特に)手を回して届く肩辺り」。「手入り」は「(畑・物品の)手入れ・管理」の他に「手術」の意。
例文F「手習え」は「手習い(事)」、また「習字」。「片分き手」は「人数を二手に分ける事」。
例文Gここでの「下手」は例文@と異なり「身分の低い下の者」の意。「手まみじ」は「手作業で手順等を間違える事」。
例文H「空な手」は「何も持たない手」、「手ぶら」、「手巾」は「手ぬぐい」、「ハンカチ」。
例文@「下手」は「袖の下から出す手」に喩えた「賄賂」。「手引ち坊主」は「引導僧」から転じて「誘惑する悪友」。
例文A「手癖」は「手癖」から発展して「盗む癖」の意。「手探い」は「(暗がりなどで)手探りする事」。
例文B「手節」は日本語のそれとニュアンスが異なり主には「腕っ節」の意ですが「げんこつ」という意味もあります。「手綱」は綱引きの際の大綱に付随した「小綱」で、綱引きは「手綱」を引いて行ないます。
例文C「手ごう」は「手でする悪戯」で52講の「手んちゃま」、54講の「手弄たん」に同じ。「手ごう付ちょおん」で、「悪戯癖が付いている」の意。
例文D「手支え」は「手が塞がっている事」。
例文E「手置き」は「(特に)手を回して届く肩辺り」。「手入り」は「(畑・物品の)手入れ・管理」の他に「手術」の意。
例文F「手習え」は「手習い(事)」、また「習字」。「片分き手」は「人数を二手に分ける事」。
例文Gここでの「下手」は例文@と異なり「身分の低い下の者」の意。「手まみじ」は「手作業で手順等を間違える事」。
例文H「空な手」は「何も持たない手」、「手ぶら」、「手巾」は「手ぬぐい」、「ハンカチ」。
【応用問題】例文・解説文を参考に次文の太字部分に意味に近い語句を左の( )内から選びなさい。答えは下欄です。
(手分き、手まみじ、手癖ぬあるっ人、手支えそおん、手入り)
@ 旅んかい行ちゅるばあや、こおとぅねえやあんかい、心入り。
A 仕事え、一人し(せ)えさな、諸(むる)んかい手配いさんでえならん。
B 今あ、忙さぬ、まどお無えらん。
C 家ぬ持ちなしん、良うさんでえ、白蟻なかい、さりいんどお。
D 手ばっぺえしいねえ、元被(むとぅかん)じゅんどお。
答え:
@ 手癖ぬあるっ人。
A 手分き。
B 手支えそおん。
C 手入り。
D 手まみじ。
日本語意訳
@旅に出る際はスリに気を付けよ。
A仕事は一人ではせず、皆で手分けしてやらなけらばならない。
B今は忙しくて暇がない。
C家の管理もきちんとしないと白蟻にやられるよ。
D手を間違うと、元が取れず損するぞ。
(手分き、手まみじ、手癖ぬあるっ人、手支えそおん、手入り)
@ 旅んかい行ちゅるばあや、こおとぅねえやあんかい、心入り。
A 仕事え、一人し(せ)えさな、諸(むる)んかい手配いさんでえならん。
B 今あ、忙さぬ、まどお無えらん。
C 家ぬ持ちなしん、良うさんでえ、白蟻なかい、さりいんどお。
D 手ばっぺえしいねえ、元被(むとぅかん)じゅんどお。
答え:
@ 手癖ぬあるっ人。
A 手分き。
B 手支えそおん。
C 手入り。
D 手まみじ。
日本語意訳
@旅に出る際はスリに気を付けよ。
A仕事は一人ではせず、皆で手分けしてやらなけらばならない。
B今は忙しくて暇がない。
C家の管理もきちんとしないと白蟻にやられるよ。
D手を間違うと、元が取れず損するぞ。