うちなあぐち
@ 家普請(やあぶしん)や家造(やあづくい)い入(い)るみ支(し)こうらんでえならん。A 家小(やあぐぁあ)やてぃん、家無(やあま)でぃいやかやましどぅやる。
B 今(なま)あ外(ふか)んじ仕口(しくち)する人(ちゅ)ぬまんでぃ、家(やあ)や投(な)ぎらっとおん。
C 家葺(やあふ)ちいや、家(やあ)ん旋毛(ちじ)からすし(せ)え、まし(せ)えあらに。
D 目(みい)ぬ病(やんめえ)や目屋(みいやあ)んじ、歯(はあ)ぬ病や歯屋(はあやあ)んじどぅ治(のお)する。
E 昔(んかし)え長男(ちゃくし)ぬ家人数(やあにんず)お、いいくる、親(うや)とぅ家一(やてぃい)ちやたん。
F 芭蕉衣(ばあさじん)や昔(んかし)え家(やあ)から着(ち)やあどぅやしが、今(なま)あ値高(でえだかあ)やん。
G 家(やあ)しいちん、なあんあらん、家割(やあわ)い迄(までぃ)すんちんあみ。
日本語
@ 家屋建設は建築費用を準備しないといけない。A 小さな家でも宿無しよりはましである。
B 今は外で仕事をする人が多く、家は留守状態である。
C 家葺きは、屋根の天辺からしてくるのがよいではないか。
D 眼病は眼科で、歯病は歯医者で治療するのである。
E 昔は長男家族は、大抵、親と同じ家で同居した。
F 昔は芭蕉衣は普段着だったが、今は高級である。
G (苦情で相手の家に)押しかけても足りず、家を壊す事までするのか。
【解説】琉球語(沖縄語)と日本語は祖語を同じくするというのが「定説」ですが、中国を起源とする漢語(亜日本語)に依存していった日本語を尻目に、琉球語の場合は、語彙だけでなく、その言い回し・慣用句などは独自に発展しきています。とりわけ、生活語である「家」も、その使い方において、日本語とは大きなへだたりが感じられます。
例文@「家普請」は「家屋の建築」の意味で「普請」は日本語漢語からの借用語。「家造い入るみ」は「家屋の建築費用」の意味です。参:80講「家造い」。
例文A「家小」は「小さな家」、「小屋」、「家無でぃい」は「宿無し」、「ホームレス」の意味です。
例文B「家投ぎゆん」は「家を留守にする」の意味です。
例文C「家葺ちい」は(主には茅葺の場合の)「屋根葺き」。「家ん旋毛」は「屋根の天辺」の意味です。
例文D「目屋」は「眼科の診療書・病院」、「歯屋」は「歯科の診療所・病院」の意味です。
例文E「家人数」は「家族」の意味で、「家組(やあぐな)」とも言います。「家一ち」は「同じ家で同居すること」。
例文F「家から着やあ」は「普段着」で、「家着(やあち)やあ」とも言います。
例文G「家しいちゅん」は「(苦情を言う為に)家に押し入る」の意味。「しいちゅん」は「押し入る」、「押す」の意味。「家割い」は「家を壊すこと」。「家蹴り割いすん」という文句もあります。
例文@「家普請」は「家屋の建築」の意味で「普請」は日本語漢語からの借用語。「家造い入るみ」は「家屋の建築費用」の意味です。参:80講「家造い」。
例文A「家小」は「小さな家」、「小屋」、「家無でぃい」は「宿無し」、「ホームレス」の意味です。
例文B「家投ぎゆん」は「家を留守にする」の意味です。
例文C「家葺ちい」は(主には茅葺の場合の)「屋根葺き」。「家ん旋毛」は「屋根の天辺」の意味です。
例文D「目屋」は「眼科の診療書・病院」、「歯屋」は「歯科の診療所・病院」の意味です。
例文E「家人数」は「家族」の意味で、「家組(やあぐな)」とも言います。「家一ち」は「同じ家で同居すること」。
例文F「家から着やあ」は「普段着」で、「家着(やあち)やあ」とも言います。
例文G「家しいちゅん」は「(苦情を言う為に)家に押し入る」の意味。「しいちゅん」は「押し入る」、「押す」の意味。「家割い」は「家を壊すこと」。「家蹴り割いすん」という文句もあります。
【応用問題】
例文・解説文を参考に箇条文の( )に入る語句・文を次行の( )内から選びなさい。答えは下欄です。
(家投ぎゆる、家や一ち、家着やあ、家組、歯屋)
@ 歯肉(はあしし)ぬ痛(や)でぃ、くぬ前(めえ)から( )んかいどぅ通(かゆ)とおいびいる。
A ( )ばす(そ)お、締(し)まいや頑丈(がんじゅう)らさんでえならんどお。
B 彼(あ)ってえ、夫婦別(みいとぅんだわか)りしからん、( )どぅやんどお。
C 我(わ)ってえ( )ぬまんでぃ、まぎ家(やあ)んかいどぅ住(し)まとおる。
D ちゃっさ美(ちゅ)ら衣(じん)やらわん、古(ふる)みいねえ( )どぅないる。
答え:
@ 歯屋。
A 家投ぎゆる。
B 家や一ち。
C 家組。
D 家着やあ。
日本語意訳
@歯茎が痛くて、この前から歯医者に通っているのです。
A家を留守にする時は戸締りはしっかりしないといけによ。
B彼らは離婚してからも同居しているんだよ。
C私たちは家族が多くて、大きい家に住んでいるのだ。
Dどんな一張羅でも、古くなれば、普段着になるのだ。
例文・解説文を参考に箇条文の( )に入る語句・文を次行の( )内から選びなさい。答えは下欄です。
(家投ぎゆる、家や一ち、家着やあ、家組、歯屋)
@ 歯肉(はあしし)ぬ痛(や)でぃ、くぬ前(めえ)から( )んかいどぅ通(かゆ)とおいびいる。
A ( )ばす(そ)お、締(し)まいや頑丈(がんじゅう)らさんでえならんどお。
B 彼(あ)ってえ、夫婦別(みいとぅんだわか)りしからん、( )どぅやんどお。
C 我(わ)ってえ( )ぬまんでぃ、まぎ家(やあ)んかいどぅ住(し)まとおる。
D ちゃっさ美(ちゅ)ら衣(じん)やらわん、古(ふる)みいねえ( )どぅないる。
答え:
@ 歯屋。
A 家投ぎゆる。
B 家や一ち。
C 家組。
D 家着やあ。
日本語意訳
@歯茎が痛くて、この前から歯医者に通っているのです。
A家を留守にする時は戸締りはしっかりしないといけによ。
B彼らは離婚してからも同居しているんだよ。
C私たちは家族が多くて、大きい家に住んでいるのだ。
Dどんな一張羅でも、古くなれば、普段着になるのだ。