うちなあぐち
@ 今(なま)あ、銭(じん)ぬ世(ゆう)。銭着(じんじゃく)ん銭じいら入(い)ゆる人(ちゅ)んまんどおん。A 銭(じん)ぬ畏(うす)りん無(ね)えん人(ちゅ)お、後(あと)お銭詰(じんぢ)まいすん。
B 銭(じん)や渡(わた)い物(むん)やしが、滑(なん)どぅる物(む)ぬんやん。
C 銭(じ)のお銭守(じんかみ)んかいどぅ銭や授(さざ)きゆる、銭(じん)喰(くぇ)え虫(むし)んかい構(かむ)らさん。
D 銭(じん)ぬ敬(うやめ)え、知(し)らん人(ちゅ)のお、銭(じ)のお貯(た)ぶゆさん。
E 銭見(じんみ)い易(や)っさくとぅんでぃち、銭(じん)雨(あみ)降(ふ)らちぇえならん。
F 銭費(じんだ)ありする人(ちゅ)んかい銭(じん)費(てえ)さあんでぃ言(ゆ)んばあやさ。
G 銭(じん)貸(か)らさあん銭(じん)借(か)やあん実(じち)え、同(い)ぬ如(ぐとぅ)、銭飢(じんう)がりそおん。
日本語
@ 今は金の世。金銭に執着する者も金で苦労する者も多い。A 金を大切に思わない人は、いずれ金詰まりする。
B 金は天下の回り物だが、手元に残り難いものでもある。
C 金は金線管理者に管理させるべきで、浪費者にはさせない。
D お金を大事にできない人は貯金することはできない。
E 金回りがよいからといって、大散財してはならない。
F お金を無駄遣いする人に浪費者というわけよ。
G 高利貸しも借金人も本当は同じく金に飢えている。
【解説】
「銭」は「銭金(じんかに)」とも言います。小児語は「銭(じ)ぬう」。なお、「銀」も琉球漢音では大方は「じん」です。(北部、糸満などの南部を除く)
例文@「銭着」は「お金に執着する者」。「銭じいら」は「金で苦労すること」の意味です。
例文A「銭ぬ畏りん無えん」は「お金を大切に思わない」。類句に例文Dの「銭ぬ敬え知らん」。「銭詰まい」は「金詰り」。
例文B「銭ぬ渡ゆん」は「金が世の中を回る」。「銭や渡い物」で「金が天下の回りもの」。「銭や滑どるむん」は「金は滑って手にしても直ぐに滑り去ってしまう」事に喩えた慣用句。
例文C「銭守(じんかみ、じんかみい)」は「金銭管理者」で「銭(じん)ぬ守(かみ、かみい)」とも言います。「銭授きゆん」は「金銭を管理させる」で「銭授かゆん」は「金銭を管理する」となります。「銭喰え虫」は「金銭の浪費癖のある人」で単に「銭喰え」とも言います。類句は例文Fの「銭費えさあ」。
例文D「銭ぬ敬え知らん」は「金を大事・大切にしない」というニュアンス。「銭貯ぶゆん」は「貯金する」。
例文E「銭見い易っさん」は「金回りが良い」という意味の比喩句。「銭雨降らんすん」は「金を湯水のように使うこと、「大散財」の意味の比喩句です。
例文F「銭費あり」は「お金の無駄遣い」。「銭費さあ」は「お金を浪費する人」。
例文G「銭貸らさあ」は「金貸し」の意味もあるが、慣例的に「高利貸」の意味。「銭借やあ」は「金を借りる人」。
「銭」は「銭金(じんかに)」とも言います。小児語は「銭(じ)ぬう」。なお、「銀」も琉球漢音では大方は「じん」です。(北部、糸満などの南部を除く)
例文@「銭着」は「お金に執着する者」。「銭じいら」は「金で苦労すること」の意味です。
例文A「銭ぬ畏りん無えん」は「お金を大切に思わない」。類句に例文Dの「銭ぬ敬え知らん」。「銭詰まい」は「金詰り」。
例文B「銭ぬ渡ゆん」は「金が世の中を回る」。「銭や渡い物」で「金が天下の回りもの」。「銭や滑どるむん」は「金は滑って手にしても直ぐに滑り去ってしまう」事に喩えた慣用句。
例文C「銭守(じんかみ、じんかみい)」は「金銭管理者」で「銭(じん)ぬ守(かみ、かみい)」とも言います。「銭授きゆん」は「金銭を管理させる」で「銭授かゆん」は「金銭を管理する」となります。「銭喰え虫」は「金銭の浪費癖のある人」で単に「銭喰え」とも言います。類句は例文Fの「銭費えさあ」。
例文D「銭ぬ敬え知らん」は「金を大事・大切にしない」というニュアンス。「銭貯ぶゆん」は「貯金する」。
例文E「銭見い易っさん」は「金回りが良い」という意味の比喩句。「銭雨降らんすん」は「金を湯水のように使うこと、「大散財」の意味の比喩句です。
例文F「銭費あり」は「お金の無駄遣い」。「銭費さあ」は「お金を浪費する人」。
例文G「銭貸らさあ」は「金貸し」の意味もあるが、慣例的に「高利貸」の意味。「銭借やあ」は「金を借りる人」。
【応用問題】
例文・解説文を参考に箇条文の太字部分に近い語句を左の( )内から選びなさい。答えは下欄です。
(銭雨降らすん、銭見い易っさん、銭着、銭じいら、銭ぬ敬え知らんでえ、銭ぬ渡りわる、銭ぬ詰まゆん)
@ 銭(じん)粗相(すそん)しいねえ、けえ、くぬうち、倒(とお)りゆんどお。
A 商(あちねえ)さあや、銭(じん)の事(くとぅ)し、しいら入(い)ゆる事(くとぅ)ぬまんどおん。
B あんし、銭(じん)費(てえ)しいねえ、なあ、銭ぬ無(ね)えらんなゆんどお。
C 御(う)万人(まんちゅ)ぬ銭使(じんちか)りわる、商(あちねえ)ん世(ゆう)ん繁(はん)盛(じょう)んする。
D 銭(じん)ぬ事(くとぅ)びけえ、考(かんげ)えいねえ、肝(ちむ)ぬ所(とぅくる)ん無(ね)えんなゆさ。
答え:
@ 銭ぬ敬え知らんでえ。
A 銭じいら。
B 銭雨降らしいねえ、銭ぬ詰まゆん。
C 銭ぬ渡りわる。
D 銭着しいねえ。
例文・解説文を参考に箇条文の太字部分に近い語句を左の( )内から選びなさい。答えは下欄です。
(銭雨降らすん、銭見い易っさん、銭着、銭じいら、銭ぬ敬え知らんでえ、銭ぬ渡りわる、銭ぬ詰まゆん)
@ 銭(じん)粗相(すそん)しいねえ、けえ、くぬうち、倒(とお)りゆんどお。
A 商(あちねえ)さあや、銭(じん)の事(くとぅ)し、しいら入(い)ゆる事(くとぅ)ぬまんどおん。
B あんし、銭(じん)費(てえ)しいねえ、なあ、銭ぬ無(ね)えらんなゆんどお。
C 御(う)万人(まんちゅ)ぬ銭使(じんちか)りわる、商(あちねえ)ん世(ゆう)ん繁(はん)盛(じょう)んする。
D 銭(じん)ぬ事(くとぅ)びけえ、考(かんげ)えいねえ、肝(ちむ)ぬ所(とぅくる)ん無(ね)えんなゆさ。
答え:
@ 銭ぬ敬え知らんでえ。
A 銭じいら。
B 銭雨降らしいねえ、銭ぬ詰まゆん。
C 銭ぬ渡りわる。
D 銭着しいねえ。
日本語訳
@お金を粗末にして大切にしないと、そのうち、倒産してしまうよ。
A商売人は金の事で苦労する事が多い。
Bこれほど出費したら、金が無くなるよ。
C皆がお金を使ってこそ商売も世の中も繁盛するのである。
Dお金の事ばかり考えると、心の置き所がなくなるよ。
@お金を粗末にして大切にしないと、そのうち、倒産してしまうよ。
A商売人は金の事で苦労する事が多い。
Bこれほど出費したら、金が無くなるよ。
C皆がお金を使ってこそ商売も世の中も繁盛するのである。
Dお金の事ばかり考えると、心の置き所がなくなるよ。
2017年03月18日