日本語
@ 太陽も出ないのに洗濯物が乾くものか。A この子はいくら言っても、野菜はたべないのだから。
B 私も行くのだから、ご一緒に行きましょう。
C 二十歳はまだだのに、もう、夫を持つわけ。
D 皆行くのだから、君も行けば(いいのに)。
E 私にもできないのに、あの子にも、できるものか。
F ドラマでの話なのだから、気にしないでよ。
うちなあぐち
@ 太陽(てぃだ、てぃいだ)ん照(てぃ)らんむぬ、洗(あれ)えむんぬ乾(かあ)らちゅみ。A くぬ童(わらび)え、ちゃっさ言(い)ちん、野菜(やせえ)や食(か)まんむぬ。
B 我(わん)にん、行(い)ちゅるむんぬ、御(う)まじゅん行(い)ちゃびら。
C 二十歳(はたち)え、未(なあ)だやとおてぃ、いな夫(うとぅ)とぅめえゆるばあ。
D 諸行(むるい)ちゅとおてぃ、汝(やあ)ん行(い)ちいどぅする。
E 我(わあ)がん、ならなそおてぃ、あぬ童(わらび)ぬん、なゆみ。
F ドラマんじぬ話(はなし)でむぬ肝(ちむ)にかきらんけえ。
【解説】
「むぬ(むんぬ)」は第47講で扱いましたが本講では「とおてぃ」、「そおてぃ」、「でむぬ」等と比較するために改めて取り上げています。
◆むぬ、むんぬ、むん:第47講参考。例文Aのように言い切る形で使われる場合もあります。
◆とおてぃ:「―のに」「―から」を表わす接続助詞ですが、言い切る形でも用います。この語は『沖縄辞典』には載っていませんが「邊野喜(びぬち)節」の歌詞「わみもいじゅやとて(ワミンイジュヤトオティ)」の「とて」は口語の「とおてぃ」です。用言の基本形(活用部分を除いた形)や否定文(未然形+否定を表わす助動詞「ん」)に付きます。
◆そおてぃ:主には否定文(用言未然形+否定を表わす助詞「な」)について、「―(でない)のに」、「―(ない)から」等の意味の接続助詞ですが、言い切りの形でも使われます。例:取らなそうてぃ(取らないのに)、あらなそうてぃ(でないのに、違うのに)、さなそうてぃ(しないのに)等。『沖縄辞典』には載っていません。
◆でむぬ:多くは文語で用いられる接続助詞で「―だから」、「―のに」、「―ものを」の意味。言い切りの形でも使います。「―どぅ+やる+むぬ」(強調助詞+存在動詞連体形+むぬ)の約まったものと考えられます。日本語の「だもの」説もあります。
「むぬ(むんぬ)」は第47講で扱いましたが本講では「とおてぃ」、「そおてぃ」、「でむぬ」等と比較するために改めて取り上げています。
◆むぬ、むんぬ、むん:第47講参考。例文Aのように言い切る形で使われる場合もあります。
◆とおてぃ:「―のに」「―から」を表わす接続助詞ですが、言い切る形でも用います。この語は『沖縄辞典』には載っていませんが「邊野喜(びぬち)節」の歌詞「わみもいじゅやとて(ワミンイジュヤトオティ)」の「とて」は口語の「とおてぃ」です。用言の基本形(活用部分を除いた形)や否定文(未然形+否定を表わす助動詞「ん」)に付きます。
◆そおてぃ:主には否定文(用言未然形+否定を表わす助詞「な」)について、「―(でない)のに」、「―(ない)から」等の意味の接続助詞ですが、言い切りの形でも使われます。例:取らなそうてぃ(取らないのに)、あらなそうてぃ(でないのに、違うのに)、さなそうてぃ(しないのに)等。『沖縄辞典』には載っていません。
◆でむぬ:多くは文語で用いられる接続助詞で「―だから」、「―のに」、「―ものを」の意味。言い切りの形でも使います。「―どぅ+やる+むぬ」(強調助詞+存在動詞連体形+むぬ)の約まったものと考えられます。日本語の「だもの」説もあります。
【応用問題】
次の文を( )内の語を使って言い換えなさい。
@ あんどぅやてぃから、仕方(しかた)んなゆみ(とおてぃ)。
A まあん触(さあ)らんしが、痛(や)むんばあなあ(そおてぃ)。
B 連(そ)うてぃん、来(く)らなそおてぃ、ぞうい、来(ち)ゅうみ(むぬ)。
C でぃか、野原(ぬはる)んじ遊(あし)ば、春(はる)やるむぬ。(でむぬ)
D 里(さとぅ)とぅ我(わ)が仲(なか)、語(かた)らんむんぬん、我(わ)が落(う)てぃ着(ち)ちゅみ(そおてぃ)(花笠節より)
答え:
@ あんどぅやとおてぃ、仕方んなゆみ。
A まあん触らなそおてぃ、痛むんばあなあ。
B そうてぃん、来(く)うんむぬ、ぞうい、来(ち)ゅうみ。
C でぃか、野原んじ遊ば、春でむぬ。
D 里とぅ我が仲、語らなそおてぃ、我が落てぃ着ちゅみ。
日本語意訳:
@そうであるなら仕方あるまい。
Aどこも触らないのに痛むのか。
B連れて来もしないで、とうてい、来るものか。
Cさあ野原で遊ぼう、春なのだから。
Dあなた(男恋人)と私の仲を語ろうともしないのに落ち着けるものか。
次の文を( )内の語を使って言い換えなさい。
@ あんどぅやてぃから、仕方(しかた)んなゆみ(とおてぃ)。
A まあん触(さあ)らんしが、痛(や)むんばあなあ(そおてぃ)。
B 連(そ)うてぃん、来(く)らなそおてぃ、ぞうい、来(ち)ゅうみ(むぬ)。
C でぃか、野原(ぬはる)んじ遊(あし)ば、春(はる)やるむぬ。(でむぬ)
D 里(さとぅ)とぅ我(わ)が仲(なか)、語(かた)らんむんぬん、我(わ)が落(う)てぃ着(ち)ちゅみ(そおてぃ)(花笠節より)
答え:
@ あんどぅやとおてぃ、仕方んなゆみ。
A まあん触らなそおてぃ、痛むんばあなあ。
B そうてぃん、来(く)うんむぬ、ぞうい、来(ち)ゅうみ。
C でぃか、野原んじ遊ば、春でむぬ。
D 里とぅ我が仲、語らなそおてぃ、我が落てぃ着ちゅみ。
日本語意訳:
@そうであるなら仕方あるまい。
Aどこも触らないのに痛むのか。
B連れて来もしないで、とうてい、来るものか。
Cさあ野原で遊ぼう、春なのだから。
Dあなた(男恋人)と私の仲を語ろうともしないのに落ち着けるものか。