うちなあぐち
@ くぬ色(いる)ぬ衣(ちん)(注)や色脱(いるぬ)ぎとおくとぅ、色直(いるのお)しさな。A 着物(ちん)ぬ色取(いるどぅ)(彩)いや、色取合(いるとぅや)あしし、決(ち)わまゆん。
B 他所(ゆす)ん人(ちゅ)、色(いる)、見(み)い分(わ)かし強(づう)されえ、むてえ栄(さけ)えさん。
C どぅく、魂脱(たましぬ)ぎいねえ、色(いる)しゅもおしゅん脱(ぬ)ぎゆん。
D 色香(いるか)んありわる、実(じゅん)にぬ芙蓉(ふゆう)ぬ色(いる)んでぃ言(い)らりいる。
E 若者(わかむ)のお、色見(いるみ)い易(や)っさしが、年寄(とぅす)いや、色見(いるみ)いらん。
F 今(なま)いや、諸治(むるのお)いし、色(いる)きさん、ましなとおさ。
G あんまあや、長(なげ)えさ柔(やふぁ)らち、色青(いりおお)じゃあなとおん。
日本語
@ このカラーの服は色褪めしているから染め直ししよう。A 着物の彩りは、配色で決まる。
B 余所者を差別し過ぎると、繁栄しない。
C あまり、魂消ると、顔色も失う。
D 色香もあってこそ、本当の美人(の顔)と言われる。
E 若者は喜怒哀楽が顔に出易いが、年寄りは表情に出ない。
F 今度こそ、全快し、血色も良くなっているよ。
G 母は長い間、病床に就いて、顔色が真白くなっている。
【解説】
文例@「色ぬ衣(ちん)」(注)又は「色ぬ着物(ちん)」は、元々は「着色した士族用の礼服」。「色脱ぎゆん」は「脱色する」、「顔色が悪くなる」の意味で、その名詞形は「色脱があ」です。
文例A「色取い」は「色取り(彩り)」。「色取合あし」は「色の取り合わせ」、「配色」の意味。
例文B「色、見い分かすん」は「人によって分け隔てを作り、差別する」の意味で、「色分かすん」とも言います。
文例C「色しゅもおしゅ」は、「ショック等で顔色を失う」の意味。「色そおもおそお」はその副詞。「色(いる)そおもおそお、倒りたん」で「顔面蒼白になって倒れた」。
文例D「芙蓉ぬ色」は「美人の代名詞」。
文例E「色みい易っさん」は「喜怒哀楽が顔に出やすい」、「目先の損得で態度を変えやすい」の意味。「色見いゆん」は「顔(表情)に出る」。「色見いらん」は「表情に表れない」。
文例F「色きさ」は「(顔の)血色」。前講のD、E、Fの「色」の意味に同じです。
文例G「色青じゃあ(色青ざあ)」は、「(病気等で徐々に)顔色が悪くなること」。
文例@「色ぬ衣(ちん)」(注)又は「色ぬ着物(ちん)」は、元々は「着色した士族用の礼服」。「色脱ぎゆん」は「脱色する」、「顔色が悪くなる」の意味で、その名詞形は「色脱があ」です。
文例A「色取い」は「色取り(彩り)」。「色取合あし」は「色の取り合わせ」、「配色」の意味。
例文B「色、見い分かすん」は「人によって分け隔てを作り、差別する」の意味で、「色分かすん」とも言います。
文例C「色しゅもおしゅ」は、「ショック等で顔色を失う」の意味。「色そおもおそお」はその副詞。「色(いる)そおもおそお、倒りたん」で「顔面蒼白になって倒れた」。
文例D「芙蓉ぬ色」は「美人の代名詞」。
文例E「色みい易っさん」は「喜怒哀楽が顔に出やすい」、「目先の損得で態度を変えやすい」の意味。「色見いゆん」は「顔(表情)に出る」。「色見いらん」は「表情に表れない」。
文例F「色きさ」は「(顔の)血色」。前講のD、E、Fの「色」の意味に同じです。
文例G「色青じゃあ(色青ざあ)」は、「(病気等で徐々に)顔色が悪くなること」。
【応用問題】
例文・解説文を参考に次文の太字部分に意味に近い語句を左の( )内から選びなさい。
(色見い分かする、色きさぬましなとおれえ、色見い易いやくとぅ、色青じゃあないねえ、色そおもおそお)
@色(いる)ぬ出(ん)じとおれえ、なあ、強(ちゅう)てぃどぅ居(をぅ)る筈(はじ)やん。
A色無(いるね)えんないねえ、たんきらんでえならん。
B人(ちゅ)、色分(いるわ)かするっ人(ちゅ)お、却(けえ)てえ、自(どぅう)がる色分(いるわ)かさりいる。
Cあったに、地(ねえ)ぬ寄(ゆ)たれえ、色(いる)ん飛でぃ、逃(ふぃ)んぎたん。
D色見(いるみ)い易(や)っさくとぅ、ゆくし物言(むに)いんならん。
答え
@ 色きさぬましなとおれえ。
A 色青じゃあないねえ。
B 色見い分かする、色見い分かさりいる。
C 色そおもおそお。
D 色見易いやくとぅ。
日本語意訳@血色が良くなっていれば、もう、回復したのだろう。A顔色が悪くなったら、用心しなければならない。B人を差別したら自らも差別される。C急に地震が起きたので、真っ青になって逃げた。D顔に出やすいから、嘘をつくこともできない。
例文・解説文を参考に次文の太字部分に意味に近い語句を左の( )内から選びなさい。
(色見い分かする、色きさぬましなとおれえ、色見い易いやくとぅ、色青じゃあないねえ、色そおもおそお)
@色(いる)ぬ出(ん)じとおれえ、なあ、強(ちゅう)てぃどぅ居(をぅ)る筈(はじ)やん。
A色無(いるね)えんないねえ、たんきらんでえならん。
B人(ちゅ)、色分(いるわ)かするっ人(ちゅ)お、却(けえ)てえ、自(どぅう)がる色分(いるわ)かさりいる。
Cあったに、地(ねえ)ぬ寄(ゆ)たれえ、色(いる)ん飛でぃ、逃(ふぃ)んぎたん。
D色見(いるみ)い易(や)っさくとぅ、ゆくし物言(むに)いんならん。
答え
@ 色きさぬましなとおれえ。
A 色青じゃあないねえ。
B 色見い分かする、色見い分かさりいる。
C 色そおもおそお。
D 色見易いやくとぅ。
日本語意訳@血色が良くなっていれば、もう、回復したのだろう。A顔色が悪くなったら、用心しなければならない。B人を差別したら自らも差別される。C急に地震が起きたので、真っ青になって逃げた。D顔に出やすいから、嘘をつくこともできない。