琉歌楽島(るうか、たぬしま)  

*「琉歌楽島」や、「琉歌楽しま(琉歌を楽しもう)」とぅ掛きたる言葉どぅやいびいる。随時増あち、いちゃびいくとぅ、いいくる見ちょおてぃ呉ぃみそり。     (2007年11月26日追加)
琉 歌
日本語意味等

【仲間節】

宵も暁も
馴れし面影の立たぬ日やないさみ
塩屋の煙

宵も暁も
馴れし面影の立たぬ日はなかりけり
塩屋の煙
解説:情景とぅ心理ゆたくみにかきたるみぐとぅな琉歌やん。「立たぬ日やないさみ」が「馴れし面影」とぅ「塩屋ぬ煙んかいかきらっとをん。うりかあや万葉集ぬ手法とぅ似ちょをん。塩屋や「すや」んち読まちょをしが、もとぅもとぅお、漫談「すうやあぬぱあぱあ」んかいあんねえし、「すうやあ」んちん発音すん。やしが、琉歌ぬ八八八六ぬ調子がる優先しみらっとをる。

今ぬまどお、「かぎやで風」とぅ、ゆう似ちょをる歌んでえ、集みやびたん。-比嘉-

【組踊ぬ大城崩より】

けふのほこらしやや
木草色かはて
旱しゆる頃の
雨ちやたごと

Kiyu nu fukurasha ya
Kikusairu kawati
Fidiri shuru kuru nu
Ami chata gutu

今日の喜ばしさは
木草色も変わり
旱魃の頃に
(木草が)
雨に出会ったよう
解説:田里親雲上作、組踊「大城崩」ぬ最後ぬ部分ぬ歌謡(揚げじんにやこぶし)

【組踊ぬ忠士身替の巻より】

けふのふくらしやや
ものに譬られめ
踊りはね遊で
御祝ひしゃべら

Chuu nu fukurasha ya
munu ni taturarimi
Wuduifani ashidi
Uyuwe shabira
今日の嬉しさは
ものに譬えられようか
踊り跳ねて遊び
御祝ひいたそう
解説:波平大主ぬ台詞ぬ一部やいびいん。
「けふ」や「Chuu」んでぃぬ発音やいびいしが、「かぎやで風節」ぬ中ぬ「けふぬふくらしやや」ぬ「けふ」やてえげえや、「Kiyu」んでぃぬ発音やいびいくとぅ、気付きてぃくぃみせえびり。(何やてぃん済むんでぃ思いすしえさびいしが…)


【組踊ぬ花売りの縁より】

親子ふやはちやる
けふぬうれしさや
莟で居る花の
露きやたたごと

Uyaku fuyawacharu
Chu nu urishisa ya
Tsibudiwuru hana nu
Tsiyu chata gutu
親子がめぐり合えた
今日のうれしさは
莟んでいる花が
露に出会ったよう
解説:組踊『花売りの縁』(高宮城親雲上作)ぬ最後ぬ踊いんかい使あっとをる琉歌やいびいん。「莟で居る〜」以下や、「かぎやで風節」とぅいぬむんやいびいん。

【かぎやで風節 うぬ一】

けふぬほこらしやや なをにぎやなたてる
つぼでをるはなぬつゆきやたごと


kiyu nu fukurasha ya nawuni jana tatiru
tsibudi wuru hana nu tsiyu chata gutu


今日ぬふくらしゃあ 何んかいが譬ゆら
蕾どおる花ぬ露いち逢たるぐとぅに

chuu nu fukurasha a nuu nkaiga tatiyu ra
chibudooru hana nu chiyu ichataru gutuni

(日本語意味)
今日のうれしさは何にこそ譬えよう
花の蕾が露に出会った如き(嬉しさ)に(譬えよう)

 解説:上や、他ぬ大概ぬ琉歌とおいぬむん、「歴史的かなづかい」なかい表記さっとをいびいん。「なをにぎやな」や、「おもろさうし18巻1144」んかい存ぬ「かつれんわ、なおにきや、たとゑる、やまとぬ、かまくらぬ、たとゑる」ぬ「なおにきや(何にこそ)」とぅいぬ意味やら筈やいびいしが、「な」や、八八六調ぬ韻踏むる為なかい、たっ加あちぇえるむんでぃ思ありいん。「ぎやな」んでぃ言る語彙からしいねえ、作らったる時代やかあま昔やる筈やいびいん。  

 琉歌あ、知りみせえる通い、八八六ぬ韻踏まんでえないびらんくとぅ、字抜じゃい、たっ加あちゃいするばすんあいびいん。うぬ為なかい、後々、解釈ぬ違てぃ来ゅうる事んあいびいん。「つゆきやたごと」お、上ねえし、「露いち逢た如」んでぃん、また、「露置ちゃた如」んでぃぬ解釈んなゆん。音韻とせえ、前語ぬ「tsiyu(露)」ぬ最後ぬ音ぬ「u」とぅ後じいぬ「uchata(置ちゃた)」ぬ一番前ぬ音「u」とぅお、いぬむんやくとぅ、たっ加し易っさんあい、自然やしが、「いち逢た」やれえ、うぬ一番前ぬ音お、「i」どぅやいびいくとぅ、たっ加あし苦さんでぃ思ゆしが如何やいびいら。
作者不詳。うぬ歌あ、う祝えぬ歌どぅやいびいしが、江戸時代ぬ作家滝沢馬琴や、「露のようにはかない花」ぬ事、歌たとおる「琉球ぬ辞世ぬ歌」んでぃち、ばっぺえてぃ解釈しみそうちょおたんでぃぬ事やいびいん。
吉屋



【参考歌】

今日のほこらしやや
なをにがなたてる
莟でをる花の
露きやたごと

Kiyu nu fukurasha ya
Nawu ni gana tatiru
Tsibudi wuru hana nu
Tsiyu chata gutu
上に同じ
解説:ゆう歌あらっとをる「かぎやで風」とお、「なをにがな」ぬとぅくるぬ違やびいん。実にやれえ、「なをにぎやな」んちるなとをいびいる。
【かぎやで風節 うぬ二】

金びんぬ御酌 深く取りかわち
比翼おしどりの 契りしゃびら

(読みい様)
ちんびんぬうしゃく ふかくとぅいかわち
ひゆくうしどぅいぬ ちじりしゃびら

chinbin nu ushaku fukaku tuikawachi
hiyuku osidui nu chijiri shabira

【かぎやで風節 うぬ二】
(なまぬうちなあぐち)

金びんぬ御酌 深く取ぃいかわち
比翼うしどぅいぬ 契りさびら

chinbin nu ushaku fukaku tuikawachi
hiyuku osidui nu chijiri sabira

(日本語意味)
金瓶の御酌 深く取り交わし
比翼おし鳥の(ような愛の)契りを致しましょう

解説:にいびちすうじ座(結婚式・披露宴)うとおてえ、上ぬ「かぎやで風うぬ一」がる、いいくる歌ありやびいしが、じくぬうぬ二がるじゅんにやるんでぃ言やっとおいびいん。我にん工工四見だんでえ、三味線やないびらんしが、ゑえかぬにいびち披露宴ぬばす、頼まってぃ、7〜8名さあに、くぬ歌なかい、弾ちあびたるばすやいびいたしが、「きうぬ〜」どぅ歌い慣りとおいびいくとぅ、声とぅ三味線とぅあたらな、異風なあやいびいたん。/吉屋