昔(んかし)、浦添(うらしい)ぬ謝名村んかい奥間大(うくまうふ)親(や)んでぃ言る者(むぬ)ぬめんせえびいたん。

奥間が若さるばすぬ、あるうわあちちぬ良(ゆ)たさる日やいびいたん。彼(うり)が畑(はる)から戻(むどぅ)ゆる道中、川(かあら)ぬ側(すば)ぬ枝持(ゆだむ)ちぬ良たさる松(まあち)ぬ小枝(くうゆだ)ぬ上辺(うわあび)んかい、何(ぬう)がやら光(ふぃちゃ)ゆるむぬぬ見いてぃ、また、まんぐらあ香ばさる匂(にをぃい)ぬさびたん。

「ふぃるましいむん」んでぃ思(うむ)てぃ、松ぬあがたぬ川んかい面(ちら)、ぬばがら見(ん)ちゃれえ、長さる髪(からじ)ぬ見いやびたん。女(ゐなぐ)ぬ髪ぬ風(ふう)儀(じ)。髪ぬかあま下(しちゃ)あ色(いる)んいっぺえ白(しる)さるがまくぐゎあぬ丸ってんぐゎあそをいびいたん。うりえなあ、目眩(みいくら)がんするあたい美(ちゅ)らさたん。奥間あ、なあ、ただあ居(をぅ)らりやびらんたん。川(かあら)ぬ女、見じゅんでぃち、松(まあち)ぬ木陰(きいかあぎ)んかいなあふぃん、近寄(ちかゆ)てぃ隠(くゎっき)やびたん。まんぐらぬ女お、あいびらん。さてぃ、まあぬ村ぬ女が、やいびいら。

女お物音(むぬうとぅ)が聞(ち)ちゃらあ、ようい、ちゅてえや、松ぬ木ぬ傍(はた)、とぅん返(けえ)やびたしが、誰(たあ)ん居らんし、分かてぃ、またん、髪(からじ)、洗(あれ)え続(ちじ)きやびたん。

松ぬ枝(ゆだ)んかい掛きらっとをたる衣(ちん)ねえそをるむぬのお、秋津(ああけえずう)ぬ羽(はに)ぬぐとぅ光(ふぃちゃ)てぃ、蝶(はあべえる)ぬ羽ぬぐぅとぅ綾なち、くぬ世(ゆ)ぬむんでぃえ思(うま)あらりやびらんたん。

奥間あ、うり取(とぅ)てぃ草ぬ茫々、生(み)みいとをる所(とぅくる)んかい隠さびたん。あんそをぬ事ん知らん女お、清(ちゅ)ら声(ぐぃい)なかい歌い始みやびたん。

若夏(わかなち)になりば、うりずんになりば

心(くくる)浮き浮きとぅ、胆(ちむ)ぬ向(ん)くままに

玉水(たまみじ)に降りてぃ、清水(ちゅらみじ)掬(しく)てぃ

からじ洗てぃ、黒髪濯(ゆし)じ

良(ゆ)かる日(ふぃ)でむぬ、山奥(やまうく)でむぬ

通(かゆ)ゆる人(ふぃとぅ)ん居らん、見る人やねさみ

心安々(くくるやしやし)とぅ洗てぃ

天(てぃん)に昇(ぬぶ)ら

さてぃ、うぬ女お衣(ちぬ)ん美らさん、色(いる)ん白(しる)さん、くぬ世(ゆ)ぬむぬんでぃん思(うま)あらりやびらんあい、良(ゆ)うしいねえ、神(かみん)人(ちゅ)がやみせえらあ分かやびらん。

若者お、やしが、なあ、ふしがらん、女ぬ所んかい一足(ちゅふぃさ)、二足近じちゃびたん。

髪洗ゆしん、とおなてぃ、女お川から出(んじ)ら、んでぃさびたん。松ぬ木んかい面向(ん)きたれえ、枝んかい下(さ)ぎてえたる衣(ちぬ)お、見いやびらんたん。うりから、女おじまま、どぅまんぐぃてぃ、けえひらきやあい泣ちゃびたん。

「あよおい、なあ、如何(ちゃあ)すがや、我身や」

  奥間あにじらりやびらんたん。何ん、分からん振(ふう)なあさびやあい、女ぬ傍んかい、なあふぃん近寄(ちかゆ)てぃ、声(くぃい)、掛きやびたん。

  「何(ぬう)うがさい、如何(ちゃあ)しみそをちゃが」

  男(ゐきが)ぬ声聞ち、女おとぅん返(けえ)やびたん。あんしから、でえじな、慌てぃてぃ、左(ふぃざい)ぬ手(てぃい)し、可惜(あたら)胸(んに)うすてぃ、また、右(にじり)ぬ手、広(ふぃる)ぎてぃ、下腸(したちゃわた)うすてぃ、首、ようがち言ゃびたん。

「髪、洗ゆんでぃ、衣(ちん)外(は)じてぃ、松ぬ枝んかい掛きてぃ置(う)ちぇえいびいたしが、何時(いち)ぬ間(みい)がやら無(ね)えらんなとをいびいん。うんじゅお、我衣(わあんす)、分かいみそをらんな」

「今(なま)どぅ、通(とぅう)いかかたるむぬやれえ、御衣(んす)ぬ事(くと)お分かやびらん」

「うんじゅが他(ふか)なかいや誰(たあ)ん通(とぅう)いみそをらん、うんじゅが、分かいみそをらんむんどぅんやれえ、誰が分かみせえがや」

「うんじゅお、我どぅ疑てぃ居みせえびいるい。我やうんじゅが泣ちみせえる声(くぃい)、聞(ち)ち、助(たし)きらんでぃえならんでぃ思(うみ)てぃどぅ、くまんかい来(ち)ょをいびいるむぬ」

奥間あ、あん言ゃがちいん、女ぬ美らさなかい、目眩(みいくら)がんさあい、ふしがりやびらんたん。やしが、くまあ、にじらんでえないびらん。

「あんどぅんやれえ、どおでぃん、我が衣、とぅめえてぃくぃみそをり。我や、うぬままぬ姿(しがた)なかいや、川(かあら)から出(んじ)ゆる事(くと)おないびらん」

女お、あん言ち、川ぬ水(みじ)んかい胴(どぅう)まある、浸(ち)きたるまま、出(んじ)らんでえさびらんたん。

奥間あ仕方あ、ならん、女ぬ衣、とぅめえいねえびさびたん。よういちゅてえぐゎあしから、奥間あ如何(いか)なゆくし、しえ済(し)むがんでぃ言(ゆ)る事、思い付(ち)ちゃびたん。

「考えてぃ見(ん)じいどぅんせえ、今先(なまさち)、犬(いん)ぬ何(ぬう)がやら喰(く)うてぃ行ちゅんねえ、そをたしが、ありどぅ、うんじゅが御衣(んす)がやたらあ分かやびらんさあ」

  若者のお、あんし、またん、ゆくし物言いさびたん。

「犬ぬ訳(わき)え無えやびらんしが」

  あん、言ゃがちいん、女お次第(しでえ)に冷(ひずる)くなてぃ来ゃあい、声ん、がたがたあし来ゃあびたん。

  いちゃっさ若夏(わかなち)んでぃ言ちん裸そをいびいねえ、冷(ふぃい)さどぅないびいる。奥間あ実(じゅん)に、女、胆苦(ちむぐり)さ思いし、自(どぅう)ぬ着ちょをる着物(ちん)、外じてぃ、女んかい言ゃびたん。

「何時(いち)迄(までぃ)ん、川ぬ中んかい、ちゃあ入いし、居みそをちいねえ、からたんかい、ましえあいびらん。うり、ちゅてえやてぃん、我着物、着みせえいびれえ」

  女お、仕方あないびらん、男ぬ言る通いさびたん。

「かうしやいびいん。あんしえ、我や、神衣(かみんす)、とぅめえらんでぃえないびらんくとぅ、うり、とぅめえたぬるばすお、うんじゅが着物、返さびいさ」

「何が、必(かんな)じ、返えさんてぃん済まびいん。でぃちゃ、今(なま)ぬまあどぅお我家(わあやあ)んかい行ちゃびら。家んかいや、なあふぃん良(ゆ)たさる着物ぬあいびいん」

「ないびらん。我や一時(いっとぅちゃ)ん早(ふぇえ)く、神衣とぅめえてぃ神国んかい戻(むどぅ)やびらんでえないびらんむぬ」

「神国んでぃえ、まあんかいあいびいが」

「なあ、うんじゅお、うりん知りみそをらに。人(ちゅ)ぬ生(ん)まりゆる前(めえ)に居ゆたる国、また死じ後(あとぅ)に行ちゅる国やいびいん」

「さてぃ、人ぬ死じ行ちゅる後生(ぐしょう)ぬ話や聞ち見ちゃる事おあしが、生まりゆる前ぬ国ぬ事お聞ちぇえなあびらんしが」

「いぬ国どぅやいびいる」

「あんしえ、うんじゅお後生(ぐしょう)ん人どぅやみせえびいるい」

男あいふぃえ、驚(うどぅる)ち、言ゃびたん。

「くぬ世んかい、あんし、居る間(ゑえだ)あ、うんじゅとぅいぬ人やいびいん」

男あ、うり聞ち、胆(ちむ)いしやびたん。あんされえ、男あ、ゆくん、油口(あんだぐち)ぬ強(ちゅう)くないびやあい、女、賺(しか)さんでぃさびたん。

  女お、良(ゆ)うしいねえ、くぬ男がる神衣、隠(くゎっくゎ)ちぇえる筈(はじ)んでぃ思てぃ、男なかい謙さったん振うなあし、男ぬ家んかい行ちゅる事にさびたん。

  あんし、奥間あ女、家迄、添うてぃ来ゃあびたん。

  うぬ後(あと)お、男とぅ女ぬ慣れどぅやいびいる、女お、うぬ夜(ゆる)ぬうちなかい男ぬむんとぅなてぃ、二人(たい)や夫婦(みいとぅんだ)ないびたん。

  年(とぅし)ぬ経っち、二人が間(なか)なかい女ん子(ぐゎ)ぬ生まりやびたん。うぬまた四年後(ゆにんあと)お、男ん子ぬ生まりやびたん。

  子(くゎ)二人(たい)や、女ぬ親とぅ似ち、美らさんあい、また胆(ちむ)清(じゅ)らさんあいびいたん。

  子、産(な)ちからん、女お、神ぬ国ぬ事お、忘りらりやびらんたん。神女(かみんちゅ)や成いぬ事やれえ、神国んかい戻いぶしゃんでぃ思いとをいびいたん。やしが、神衣ぬ無えやびらんでえ、如何(ちゃあ)ん成いびらん。神女おちゃあ、自が御願(うぐゎん)事(ぐとぅ)さんでえ、くぬ世、守(まむ)ゆる事お、成らんでぃ思いとをいびいたん。

  ある日、女ぬ、いっそうまぬぐとぅ、屋敷(やしち)ぬ裏ぬ圃(あたい)うとをてぃ、畑(はる)仕事(しくち)そをたるばす、童(わら)ん達(ちゃあ)ぬひるまさる子守(くゎむや)やあ歌ぬ聞(ち)かりやびたん。

  ええい、ええい、泣くなよお

  天女(てんにゅ)ぬ飛衣(とびんす)

  神女(かみんちゅ)ぬ舞衣

  六(むう)ち股ぬ蔵んかい

  八(やあ)ち股ぬ蔵んかい

  稲束(いにたば)ぬ下(しちゃ)んかい

  粟束(ああたば)ぬ奥(うく)んかい

  置ち古みとをん

  置ちさらちょをん

  寝(に)んじいどぅすんどお、起(う)きてぃ泣くなよお

  遊(あし)ばわどぅ呉(くぃ)ゆんどお

  天ぬ女お、胆(ちむ)ふとぅふとぅなやい、庭(なあ)んじ遊(あし)どをたる童ん達ぬ所んかい面(ちら)、ぬさきやびたん。くぬ歌あ何ぬ歌んあらん、我が神衣ぬある所、習あする歌どぅやるんでぃ思やびたん。やしが、あしがちしえないびらん。あんまあや童ん達が外んかい遊びいが去(は)いし待っちゃびたん。

  ちゅてえぐゎあしいや、二人ぬ子あ、まあがらんかい遊びいが行ちゃびたん。あんまあや急(いす)じ蔵んかい入っち、奥ぬ傍(はた)、とぅめえやびたん。蔵ぬうぬ底(すく)んかい、間違(まちげえ)えん無えらん、あたらさそをたる御衣(んす)ぬあいびいたん。

  秋津(ああけえずう)ぬ羽(はに)ぬぐとぅ光(ひちゃ)てぃ、蝶(はあべえるう)ぬ羽ぬぐとぅ綾なち、彼女が神衣お今ん、うにいとぅいぬむん、そをらさいびいたん。

  主(すう)ぬ戻みそをらんうちなかい、今、神国んかい戻らんでえ、なあ戻ゆる時え来ゃあびらんさに。あんまあや夕飯(ゆうばん)、いっそうまやか、早く、しこをやびたん。あんし、外んじ遊どをたる子二人、呼でぃ来ゃあい、夕飯、食まさびたん。

うぬ後、あんまあや、二人、賺ち寝んしゃびたん。

やしが、姉(あばあ)がひるまささあい、訊(たじに)にやびたん。

「何が、あんまあ、太陽(てぃだ)あ未(なあ)だ、落(をぅ)てぃらなそをてぃ、うぬ早く寝んだんでえないびらに」

「今日や、あんまあやくたんでぃとをくとぅ、早く寝んじいぶしゃどぅんあれえ、夕飯ぬん早く、食(か)でぃ、まじゅん寝んだんでぃ思いとをん」

あん言ち、あんまあや二人ぬ傍んかい横(ゆく)なてぃ、子守やあ歌、歌やびたん。ちゅてえぐゎあしいねえ、二人ぬ子あ、寝んたるふうじやいびいたん。

寝んじいどぅすんどお

起きてぃ泣くなよお

  遊(あし)ばわどぅ呉(くぃ)ゆんどお

何時(いち)ぬ間(みい)がやら、昼、童ん達ぬ歌とをたる歌ぬあんまあ口ぬ端から出(んじ)とをいびいたん。うぬ事悟(さとぅ)てぃ、面ん、わじゃでぃ涙(なだ)ぬ落てぃやびたん。

産子(なしぐゎ)、思ゆる親(をぅや)ぬ心(くくる)、捨(し)てぃらんでえならんでぃ、思いねえ、胆ん胆んないびらん。やしが、神んかいうさぎらんでえならん我身(わみ)どぅやいびいるむんぬ、何時迄んくぬ家んかい居(をぅ)とをちゅる事おないびらん。子ん達ぬ事、考えやびいねえ、何時(いち)迄(までぃ)んくまから出ゆる事おないびらん。

神女お、胆迷(ちむまゆ)いん押(う)し除(ぬ)きやびてぃ、意地出(んじ)ゃち、立ち上がやびたん。またん、蔵んか入やびたん。あんし、神衣(かみんす)、着やびたん。童ん達なかい見だらんねえし、神女(かみんちゅ)お蔵から出やびたん。

女(ゐなぐ)ん子あ、あんまあぬ、ただならん仕様(しざま)、勘取(くゎんとぅ)やい、起きてぃあんまあぬ後(あとぅ)、追うたるばすやいびん。あんまあや、ばんじ神衣着ち、蔵から出ゆるとぅくるやいびいたん。あんまあがあんし、すがとをる姿(しがた)あ、今迄(なままでぃ)、見(ん)ちゃる事(くと)お無えやびらんたん。

「あんまあ、まあんかい、めんせえが」

  女ん子ぬ声なかいあんまあや、じまま、驚(うどぅる)ちゃびたん。やしが、彼女え、とぅん返らんぐとぅ、言ゃびたん。

「許ち取(とぅ)らし、主(すう)とぅ弟(うっとぅ)ぬ事(くとぅ)、良(ゆう)うし取らし」

「あんまあ、我にん、添うてぃ行(ん)じ呉みそをれえ」

姉(あばあ)ぬ後、追うてぃ出てぃ来ゃる弟ぬ言やびたん。

やしが、あんまあやゆくん足(ふぃさ)、早みやい、走(は)あえさびたん。走あえするさく、神衣お風(かじ)なかい扇(おう)がってぃ拡(ふぃる)がてぃ、拡がいるさく、また、風んかい乗てぃ、天高く舞い上がいやびたん。

子二人やそう抜ぎてぃあびやびたん。

「待っちみそをれ、あんまあ」

「何んでぃち、我ったあ、置ちめんせえが、あんまあよ」

姉とぅ弟お泣ちがちい、あんまあ後、追うやびたん。やしが、母親や天なかい引(ふぃ)ち揚ぎらいるぐとぅ、かあま山ぬ上(ゐい)ぬあがたんかい去ち見いらんないびたん。姉とぅ弟お抱ち合あち、声ぬ枯りるか泣ちゃびたん。

うぬばすやたん。畑から戻てぃちゃる主が、彼(うっ)等(たあ)、見ち、走あええなてぃ、寄(ゆ)てぃ来ゃあびたん。

「何が、如何(ちゃあ)さるばすが」

主、見ち、二人ぬ童え、ゆくん泣ちゃびたん。どぅく泣ちじゅうさぬ二人や目赤(みいあか)なとをいびいたん。

「あんまあが去(は)いたん」。姉が言ゃびたん。

「美(ちゅ)ら衣着(じんち)ち、山ぬ上辺(うゎあび)から天(てぃん)ぬんかい昇てぃ去いたん」。弟(うっとぅ)ん言やびたん。     

「あんまあやまあんかいんでぃ言たが」

「まあんかいんでぃえ言みせえらんたん」

奥間主(うくますう)や「むしや」んでぃ思やびたん。彼え山んかい妻(とぅじ)、とぅめえいがあ行かんでえさな、子二人が手(てぃい)、引(ふぃ)ち、家んかい戻やびたん。あんし、蔵んかい入やびたん。隠(くゎっくゎ)ちぇえたる神衣お無らんなとをいびいたん。奥間あ、まぶやあぬ落てぃとをしとお、いぬむん、まじまっとをたる稲束ぬ傍(すば)んかい、けえひらきやびたん。

「主よ、あんまあや、まあんかいめんそうちゃが」

二人(たい)ぬ子あ、主んかい縋(しが)てぃ尋(たじ)にやびたん。主や二人ぬ事、胆(ちむ)苦(ぐる)しいむんでぃ思いんさしが、如何(ちゃあ)んならん。二人がたみ、肝(ちむ)、強々(ちゅうづう)く持(む)ったんでえないびらんたん。

「あんまあや、神ぬ国んかいもうち、神ん女んかいなみそうちゃん。なあ、戻ゆる事お無えらん。かあま遠(とぅう)さうとおてぃ、いっ達(たあ)、見(みい)守(ま)んどをてぃ呉ぃみせえくとぅ、どうでぃん、あんまあぬ事お許ち取らし」

うぬ話や首里までぃ聞かりやびたん。あんし、胆苦りさ思みたる役人ぬ、奥間ぬ家んかい訪にてぃ、めんそうち、二人ぬ子あ首里城(うぐしく)んかい引ち取らりゆる事んかい成たんでぃぬ事やいびいん。

註　弟お後ぬ察度王んでぃ言やっとをいびいん。

「実践うちなあぐち教本」から

註：くぬ物語ぬ日本語版や、うちなあぐち版とぅまじゅん、『うちなあぐちしさびら物語小＆スピーチ』（２００８年６月発行、南謡出版）んかい集録さっとをいびいん。またくぬ本ぬんかいや音声ＣＤぬ付録とぅさあい付ちょをいびいん。
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