替歌とぅ遊ば  2002年7月11日追加  

替歌(がんまり歌小)    作:比嘉 清
本 歌

【貯金ぬ歌=浜千鳥節ぬ替歌】
 旅や浜宿い 銭ぬ袋枕
   寝てぃん忘りららん 貯てえる銭や
 旅宿に泊まりゆみ 銭どぅあたらさる
   銭使ゆる辛さ さんみんすぬ嬉さ
 しばき植てぃうかば しばしばとぅ貯てぃ
   またき植てぃうかば また貯る嬉さ
(日本語:旅は浜で野宿 金袋が枕 寝ても忘れられない 貯えた金の事は/旅館に泊れるものか 金こそ大事 金使う辛さ 数える嬉しさ/柴木を植えては しばしば貯金し まだきを植えれば また貯まる嬉しさ)

【覗き見ぬ歌=恩納ナビぬ歌ぬ替歌】
 女だきあがた 男だきくがた
   湯風呂屋ぬ隔み 退きてぃ見欲しゃ
(日本語:女だけあそこ 男だけこちら 風呂屋の中隔て退けて覗きみたい)

【ミルク配給ぬ歌=彌勒節ぬ替歌】
 大国ぬミルク 我が島にいもち
   アメリカぬミルク 学校にいもち
 ミルク袋ぬしるし アメリカぬしるし
   大和世ぬしるし 何ん無らん
 ミルク世になてぃん 自由に遊ばりみ
   失たる地畑 戻らぬちらさ
(日本語:大国のミルクが我が島に配給され アメリカのミルクが学校に配られた/ミルク袋の印はアメリカの印 日本の印は何もない/ミルク世になっても自由に遊べるものか 失った地畑が戻ってこない辛さよ)
解説:戦後、ガオリア復興資金なかい、学校んじ、粉ミルク炊ち飲まさったる覚いぬある40代後半?から上ぬ人ん達や、うぬ替歌ぬ意味ぬ分かいみせえる筈。

【デイトぬ歌=恩納節ぬ替歌】
 女待つ間に 尻ぬ屁ぬ出じてぃ
   無蔵が来ゅるまでぃや 臭い散らさ
(日本語:女待つ間に 尻から屁が出て 彼女が来るまでに臭い散らそう)

【二十九ぬ春=十九の春ぬ替歌】
 我がうんじゅんかい 惚りたしや
   いいばす 十九ぬ春やたん
   若しか 離縁ぬ話やら
   今ぬうちに しんそうり
 我にん なだ二十九
   今からん 夫や持たりゆん
   今や 晩婚時代やせ
   三十四十や さらばんじ
(日本語:私があなたに惚れたのは うまいこと十九の春でした もしも 離縁話なら 今のうちにしておくれ/私もまだ二十九 今からでも夫を持てる 今は晩婚時代だもの 三十四十は真っ盛りさ)
解説:世ぬ中あ、あんし、あい変わやびてぃヤさい。昔え、十九ないえ、晩婚なてぃ、夫持ち外じゃきいがすらんでぃ、そう抜ぎいたるむん。今あ、ダアナア、女ぬ強くなてぃ、あんし晩婚小子化時代なてぃ、いちゃがさびいら)

【受験勉強ぬ歌=民謡十七八節ぬ替歌】
 十七八頃や 受験どぅ待ちゅるヨ
   夜ん暮りてぃたぼり 勉強さびら
   腸ゴロゴロしー
   約束茶わきえ 来うんどぅあがや
 今日やゆくてぃ 又明日励らヨ
   ゆくいゆくいないる 受験勉強や
   ニリクサリんどー
   でぃか早く寝んだ
 我身ん勉強好ち 里ん勉強好ちヨ
   互に勉強好ち まじゅん励まら
   寝いブイカーブイしん
   約束どヤ 夜ぬ明きる迄ん
 無蔵が胆変てぃ 勉強すそにすらばヨ
   試験通らん 大学に行からんどヤ
   ワジらすなよ
   無蔵が心ぬ 変わんなようや

(日本語:十七八才頃は受験を待つのさ 夜も暮れておくれ 勉強します お腹ペコペコ 約束のおやつは来ないのかな/今日は休んで又明日励もう 休み休みしかできないよ受験勉強は 飽きるよ さあ早く寝よう/私も勉強好き 彼氏も勉強好き 互いに勉強好き 一緒に頑張ろう 眠くても約束よ 夜明け迄/彼女が心変わりして勉強をほったかしたら 試験は受からない大学へいけないよ (僕を)怒らさないで貴女 心変りするんじゃないヨ)
解説:昔ぬ十七八ぬ年頃お、野遊びびけんどぅさびたしが、今ぬ若者や、なあだ、勉強さんでえならん年頃。ハア、ちゃあそおる世がなたら。

【10・10空襲ぬ歌:瓦屋節から】
 瓦屋頂(ちぢ)ぬぶてぃ うちゃぎやい 見りば
  敵機(てぃき)びけどぅ見ゆる 友機見らん

(日本語:瓦屋根の天辺に登って、見上げれば、米軍機だけが見え、味方機は見えず)
解説:昭和19年10月10日、米軍や沖縄空爆、始みやびたん。「10・10空襲」んでぃ言やってぃ、沖縄決戦ぬ幕開きやいびいたん。演習んでぃ思てぃ、屋根んかい登てぃ、見物する人ん居たんでぃぬ事やいびいん。でえじ。

【浜千鳥節】
 旅や浜宿り 草の葉の枕
   寝ても忘ららぬ 我家のお側
 旅宿の寝覚み 枕そばたてて
   覚出しゆさ昔 夜半のつらさ
 柴木植てうかば しばしばといもり
   真竹植てうかば またんいもり忍ば
(日本語:旅は浜宿り 草の葉の枕 寝ても忘れられぬ 我家の愛しきひとよ/旅宿の寝覚め 枕そば立てて 思い出す昔 夜半の辛さ/柴木植えておかば しばしば訪ね来よ/真竹植えておかば また訪ね来よ 忍び逢おう)

【恩納ナビの歌】
 恩納岳あがた 里が生まれ島
   森ん押し退きてぃ こがたなさな
(日本語:恩納岳の向こう 貴方の生まれ故郷 森も押し退けて 間近に引き寄せようか)

【彌勒節】
 大国ぬみるく 我が島にいもち
   うかきぶせみしょり 島ぬあるじ
 みるく世やいもち 遊ばはん遊び
   ぶどらはんぶどり 御許しでむぬ
 みるく世ぬしるし 十日越しぬ夜雨
   かきくさゆみしょり 御世ぬしるし
(日本語:大国の弥勒苔薩 我が島に来られ 治められよ 島の主/弥勒苔薩が来られた 遊ぶなら遊べ踊るなら踊れ 御許しが出たのだ/弥勒苔薩世の証 十日越しの夜雨 穀草を潤し これが御世の証)


【恩納節=恩納ナビ作】
 恩納松下に 禁止のはいぬ立ちゆす
   恋忍ぶまでの禁止やないさめ
(日本語:恩納松下に 禁令の札が立っている 恋忍ぶことを禁ずるものではあるまいな)

【十九の春】
 私があたなたに 惚れたのは
   ちょうど十九の 春でした
   いまさら離縁と 言うならば
   もとの十九に しておくれ
 みすて心があるならば
   早くお知らせ くださいね
   年も若く あるうちに
   思い残すな 明日の花
 






【民謡十七八節】
 十七八頃や 夕間暮ど待ちゅるヨ
   夜ん暮りてたぼり 我自由さびら
   ハラドンドンせー
   約束里前や 来うんどあがやー
 無蔵が待ち所 伊佐浜ぬ碑文ヨ
   無蔵が待ちかにら 我胆あまじ
   ハラドンドンせー
   約束無蔵や 来うんどあがやー
 我身ん遊び好ち 里ん遊び好ちヨ
   互に遊び好ち 互に遊ば
   ハラドンドンせー
   夢ぬ浮世や 語て遊ば
 無蔵が胆変てぃ 我んすそにすらばヨ
   刀ばにかきて 恨みはらさ
   ハラドンドンせー
   無蔵が心ぬ 変わんなようやー

(日本語:十七八頃は夕間暮れを待つのさ 夜も暮れておくれ 私自由になりましょう 約束の彼氏は来ないのかナ/彼女が待つ場所 伊佐浜の碑文サ 彼女が待ちかねたら僕は心痛いヨ 約束の彼女は来ないのかナ/私も遊び好き彼氏も遊び好き 互いに遊び好き 互いに遊ぼ 夢の浮世は 語って遊ぼ/彼女が心変わりして僕を袖にしたら 刀をかけて 恨みをはらそう 貴女の心 変わるなヨ)



【瓦屋節】
 瓦屋つぢのぼて 真南向かて 見れば
  島ぬうらど見ゆる 里や見らん

(日本語:瓦屋根の天辺に登って、真南に向かって見れば、島影しか見えず、夫の姿は見えない)
解説:唐ぬ瓦大工なかい、望まってぃ、ふぃっちゃてぃるうにいびち、しみらったる人ぬ妻ぬ、夫ぬ事が忘りららな、彼ぬ姿見じゅんでぃ、屋根んかい登てぃ歌たるむんでぃ言やっとおいびいん。

次待ちかんてぃいしうたびみせいびりヨ。