うちなあぐち十番口説      作詞・歌・三味線 吉屋松金 2005.4.4

   (うちなあぐち版)

@ 一(てぃい)ち 手墨(てぃしみ)
       学問(ぐゎくむん)
  うちなあぐちしどぅしわるやる
  うみはまてぃ習やびら


A 二(たあ)ち 互(たげ)に語やびら
  島(しぃま)ぬ言葉(くとぅば)
  押
(う)し連(ち)りてぃ
  ゆんたくすりば面白
(うむしる)
  
B 三
(みい)ち 見りば書ち美(じゅ)らさ
  聞(ち)ちば 歌声(うたぎぃい)
  歌謡てぃ
(をぅどぅ)
  遊
(あし)びば さてぃ見事(みぐとぅ)

C 四(ゆう)ち 豊かな島言葉
  黄金(くがに)言葉書ち留(とぅ)みてぃ
  肝(ちむ)ぬなぐさみなゆさ

D 五(いち)ち 何時(いち)
        世
(ゆ)になてぃん
  生(ん)まり島ぬ言葉や大切(てえしち)
  宝
 かなさみしょり

E 六(むう)ち 村々里々ぬ言葉ん
  変わやい珍らしや何時む何時迄ん
  むとぅうちいちゅる如(ぐとぅ)


F 七(なな)ち 今(なま)からや 
     うちなあぬ世
うやふじぬ言葉 
  取
(とぅ)い戻(むどぅ)
  受ち継(ち)じ行かねなゆみ
  
G 八
(やあ)ち 大和世(やまとぅゆ)になてぃん
  今ぬ今までぃうちなぐち
  残
(ぬく)やい語らり変わり無(ね)らん

H 九
(くくぬ)ち くぬ島くぬ国や 
  昔
(んかし)から詩ぬ島
  踊いぬ里
遊び国


I 十
(とぅう)や 年取(とぅしとぅ)てぃぬ
           楽
(たぬ)しみや
  子孫
(くゎんまが)ん達(ちゃあ)に 
  うちなぐち語てぃ
  遊ぶるくとぅでむぬ

   (日本語版)

一つ 手墨学問
  沖縄語ですべきである
  懸命に学び給え


二つ 互に語り合おう
  島の言葉
  連れ立って

  お喋りすれば面白
いもの
  
三つ 見れば書き麗しく

  聞けば 歌声
  歌謡い
り遊べば
  さても見事


四つ 豊かな島言葉
  黄金言葉書ち記しるせば
  心の慰めになるべし

五つ 何時になっても
  故郷の言葉は
  宝で大切 慈しむべし


六つ 村々里々の言葉も
  夫々に珍し何時何時迄も
  長く続きますように


七つ これからは沖縄の世
  祖先の言葉 
  取
り戻
  受け継ぎ行かねばならぬ
  
八つ 大和世
になっても
  今の今まで沖縄語
  残
り語られ変わり無

九つ この島この国は 
  昔
から詩の島
  踊りの里
遊びの国


十は 年取
っての楽しみは
  子や孫
に 
  沖縄語語り
  遊ぶことなのです