「いめんせえびり うちなあぐち賛歌」ぬ語句説明

旧日本陸軍高射砲(南城市)
2020/1/15

 旧(んかし)日本陸軍ぬ沖縄戦んじ、配(くば)たる実(じゅん)にぬ高射砲やん。
 うぬ後(くしゃあ)んかいや海軍ぬ配とおたる魚雷ん置(う)かっとおん。
 平和(ひいわ)教育ぬ為(たみ)ぬむんとぅしち、くまんかい飾(かざ)らっとおん。
 南部島尻(しまじり)えあいゆかんぬ戦所(いくさどぅくる)やたくとぅ、くんな兵器ぬ見(み)い出(ん)じゃさったせえ、何(ぬう)んふぃるましいむのおあらん。
 やしが、終戦から1950年前半(にんまえはんぶん)まんぐるぬ沖縄(うちなあ)や古鉄(ふるがに、スクラップ)世(ゆう)。
 沖縄中(うちなあまじり)ぬ人(ちゅ)ん達(ちゃあ)やショベルとぅツルハシ持(む)っち、目(みい)や研(とぅ)ざなやあに、あまくま、兵器ぬ空(殻)骨(からふに)、砲弾(ふうだん)、電線(でぃんしん)うぬ他(ふか)ぬ古鉄(ふるがに)ゆ漁(あさ)ってぃ歩(あ)っちょおたん。
古鉄漁とおる現場(とぅくる)んかいやいいくる毎日(めえにち)、古鉄買うやあぬ馬車(ばしゃ)持(む)っち姿(しがあ)見(み)したるむぬやん。
 特(かわ)てぃ、高射砲ぬ空骨そうなむぬお重(んぶ)さくとぅ高(たか)く売(う)らりいたん。
 うぬままぬ形(かたち)なかい残(ぬく)とおせえ又(また)、何(ぬう)やかんふぃるましむんやん。

注:時の米国高等弁務官は「沖縄にあるスクラップはすべて米国のものである」と宣言したが、これに耳を貸す県民は殆どいなかった。

語句】
旧日本陸軍ぬ沖縄戦んじ=旧日本軍の沖縄戦で
配たる実にぬ高射砲やん=配備した本物の高射砲15センチカノ砲である。
うぬ後んかいや海軍ぬ配とおたる=その後ろには旧海軍が配備していた
魚雷ん置かっとおん=魚雷も置かれている
平和教育ぬ為ぬむんとぅしち、くまんかい飾らっとおん=平和教育の目的でここに展示されている。
南部島尻えあいゆかんぬ戦所やたくとぅ=南部島尻はものすごい戦場だったので
くんな兵器ぬ見い出じゃさったせえ=このような兵器が発見されたのは
何んふぃるましいむのおあらん=何も珍しいものではない
やしが、終戦から1950年前半まん頃ぬ沖縄や古鉄(スクラップ)世=だが終戦から1950年前半は沖縄はスクラップブーム時代
沖縄中ぬ人ん達やショベルとぅツルハシ持っち=沖縄中の人たちはショベルとツルハシを携えて
目や研ざなやあに、あまくま、兵器ぬ空(殻)骨=血眼になって、あちこち兵器の残骸や
砲弾、電線うぬ他ぬ古鉄ゆ漁ってぃ歩っちょおたん=砲弾、電線その他のくず鉄を探し歩いていた
古鉄漁とおる現場んかいやいいくる毎日=くず鉄を掘り出す現場には、ほぼ毎日
古鉄買うやあぬ馬車持っち姿見したるむぬやん=くず鉄仲買人は馬車で姿を見せていた。
特てぃ、高射砲ぬ空骨そうなむぬお重さくとぅ=特に高射砲のような残骸は重さもあって
高く売らりいたん=高く売れた
うぬままぬ形なかい残とおせえ=そのままの形で残っていることこそ、
又、何やかんふぃるましむんやん=何より珍しいのである。




識名御殿(那覇市)2020/1/1

   名御殿(しちなうどぅん)や唐按司達(とうあじんちゃあ)、御取(うとぅ)い持(む)ちいする為(たみ)なかいぎれえらったる御殿やん。
 
琉球風儀(るうちゅうふうじい)ぬ赤瓦家(あかがあらやあ)ぬ他(ふか)なかい、唐風儀(とうふうじい)ぬ屋取(やあどぅい)ん石橋(いしばし)んあん。
 去(ん)じゃる戦(いくさ)んじ、無(ね)えらんなたしが、復建(まただ)てぃさったん。
 あいゆかんぬゐいりき所(どぅくる)なやあに、今(なま)あ世界遺産ぬんかいなとおん。
 観光客(かんこうちゃく)ぬ来(ち)いまんどおくとぅ、良(ゆ)う持(む)ち成(な)しさっとおせえ、当(あ)たい前(めえ)やしが、実(じゅん)に肝(ちむ)ぬうらあきらりいる所(とぅくる)やん。
 高所(たかどぅくる)んかいあしが、海(うみ)え見(み)いらん。
 唐按司達んかい、琉球(るうちゅう)やてぃん、海ぬ見いらんあたいぬ大国(てえぐく)やんでぃ見(み)しゆる為(たみ)んやたる筈(はじ)やしが、他所国(ゆすぐに)ぬ人(ちゅ)お海、見(ん)じいねえ、故郷(くちょう)あながちささあに、帰(け)えい欲(ぶ)しゃなゆるむぬやん。
 琉球んかい淀ど(ゆどぅ)おる間(ゑえだ)びけんちょうん、海え見しらん計(はか)れえやたら。
 首里城(うぐしく)ぬ燃(め)えたる後(あと)お、文化財ぬ愛(うじ)らあしく見(み)ゆん


【語句】
名御殿や唐按司達、御取い持ちいする為なかい=識名園は中国からの冊封使を持て成すた目的で
ぎれえらったる御殿やん=建造された建物である。
琉球風儀ぬ赤瓦家ぬ他なかい、唐風儀ぬ屋取ん石橋んあん=琉球風の赤瓦建物の他に中国宮の建物も石橋もある。
去じゃる戦んじ、無えらんなたしが、復建さぃさったん=戦禍で消滅したが復元された。
あいゆかんぬゐいりき所なやあに、今あ世界遺産ぬんかいなとおん=とても名勝で今は世界遺産にもなっている。
観光客ぬ来いまんどおくとぅ、良う持ち成しさっとおせえ=観光客が大勢来訪するので、手入れが行き届いているのは
当たい前やしが、実に肝ぬうらあきらりいる所やん=当然であるが、ほんとうに癒される場所である。
高所んかいあしが、海え見いらん=高所に位置するが、海は望めない
唐按司達んかい、琉球やてぃん、海ぬ見いらんあたいぬ=冊封使らに琉球でも海が見えないほどの (注)
大国やんでぃ見しゆる為(たみ)んやたる筈やしが=大国であると見せつける目的もあったかもしれないが
他所国ぬ人お海、見じいねえ、故郷あながちささあに=(当時は)他所国の人間は海を見るとホームシックになり、
帰えい欲しゃなゆるむぬやん=帰郷したがったものである。
琉球んかい淀ど(ゆどぅ)おる間びけんちょうん=琉球に滞在する間だけでも
海え見しらん計れえやたら=海を望めないようにする気を利かしたのか。
首里城ぬ燃えたる後お、文化財ぬ愛らあしく見ゆん=首里城が炎上した後は、文化財が愛おしく思える


注:当時の冊封使は半年ばかり滞在した。